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天竜と武藏山の確執…?

2023-09-14 21:35:06 | 日記
 元武藏山が『文藝春秋』へ寄稿した
「八百長華やかなりし頃」から抜萃。

〔前略〕当時の大関大ノ里の負けが
こんだ時のことである。「もう自分
には限界がきたようだ。そろそろ引
退しなければいかんな」〔中略〕
大ノ里の言葉は天竜一派を強く刺戟
した。
 千秋楽の夜、天竜をかつぐ部屋の
古参連中は出羽海親方の宿舎に押し
かけた。「こんどの番付はどうなり
ますか。大関には天竜さんを推薦し
て貰えませんか」
「なにを言うか、番付というものは
お前達の口出しすべきことではない。
第一、そういった私情を挟んで作る
ものでもない。どうしてそんなこと
を言って来るのか」怒った出羽海に
対して彼等はなお言い続けた。
「天竜は先代常陸山関時代からの力
士だが、武蔵山は親方、あなたの弟
子だ。だから天竜を先に大関にした
方が部屋の統一もとりやすいし、ま
た親方が天竜を大関にすることは先
代に対する恩返しにもなるじゃない
か」といって、天竜を推薦した。出
羽海が「ウン」と言う筈はない。〔後
略〕
 元横綱常陸山の遺愛弟子である関脇
天竜を差し置いて、出羽海(元小結両國
=諫早出身)が直系弟子、小結武藏山を
“2階級特進”で新大関へ昇進させてしま
った。
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