信仰の山の登山道脇や寺院の裏庭 参道脇などに良く羅漢さんが鎮座している、
所は川越は喜多院に一か所に纏って五百羅漢が鎮座している、この中には自分に似た
羅漢さんが一体は必ず居ると云う、容貌が似ていると云うだけでなく、性格 所作が似て
いる事も云うのではないかと思う、見ていて楽しいので何回か訪れた、確かに自分似た
羅漢さんが何体か居る。
色々な表情の羅漢さんを眺めていると、何を考えているのだろう、何をしようとしているの
だろ色々想像をめぐらし眺めていたら、下の様なストリーが出来た、お笑いくだされ。
「のう隣の羅漢さんや、こうして毎日同じ所に座っていても退屈じゃのう」
「声をひそめて話す事ではないが、どうじゃろ、時には一杯やらんか」
「それは良い話じゃ近いうちにどうじゃな」「大いに良かろう、楽しい
話じゃ」「早速近々にやろうではないか」と話はまとまった
当日 言いだしっぺの羅漢さんが約束の場所へ行くが、約束の相手は待てど暮らせど姿
を現さない、天を仰ぎ首を長くして待ち、頭を膝に埋めて待つが一向に現われない、後日約
束を違えた不誠実を大いになじった
当のご本人左の手や右の手を頭に充て大いに謝ったが、一向に許して呉れそうもない、
最後に平身低頭心をこめて訳を話して謝る
「実はじゃなー当日どうしても書き終えねばならぬ物を頼まれ
てな」「失念した訳ではない」と理由を話し、許しを乞うた、誘っ
た羅漢さんも「そうじゃったのかーならば仕方あるまい」と和解した
後日改めて仲良く杯を酌み交わしたとサー