山歩き

どんな花が咲いてるでしょう、どんな山が見えるでしょう

遠野郷地上の星の物語

2021-06-02 10:43:14 | 時事川柳

 

 岩手県遠野市は民話の里として知られており、民俗学者である柳田國男(1875-1962)が1910年(明治43年)に発表した『遠野物語』は、遠野地方に伝わる逸話、伝承などを記した説話集です。

 また岩手県釜石生まれのあんべ光俊(1953-)が結成したフォーク・グループ『飛行船』の代表曲も『遠野物語』ですが、遠野市内に鎮座する遠野七観音のうち、五つを線で結ぶと『五芒星』が現れるという3つ目の『遠野物語』が注目を集めています。

 五芒星とは平安時代の陰陽師、安倍晴明が呪符などに頻繁に用いた文様として有名で、海外でも東西の洋を問わず、魔よけの印として広く知られている。そうですが知りませんでした。

 注目の五芒星は遠野郷八幡宮の宮司さんの研究成果ですが、五芒星から外れた二観音についても、次のような機知に富んだ見方を披露しています。二観音は星の中心部から見て鬼門と裏鬼門に位置し、それぞれ当時の松崎村、鱒沢村に属していたので、魔(ま)を除くために『ま』つざきと『ま』すざわを外した。

 研究者している宮司さんは『あくまでも一つのものの見方。謎解きのような感覚で神社仏閣を回り、それぞれの視点で遠野の魅力を掘り下げて欲しい』と期待し、観光関係者も『好奇心をくすぐられるテーマ』と注目ししています。

 余談ですが6月1日現在県内33市町村で新型コロナ感染が確認されたのは1448人、そのうち遠野市は6人と少ないのは五芒星の効果でしょうか。因みに21市町村が10人以下そのうち8市町村は0人で、私の住んでいる紫波町は6人県都盛岡市が579人です。

『地上の星』の中島みゆきも岩手県生まれならよかったですが、道産娘(どさんこ)ですね。

 

 


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2 コメント

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歴史のきっかけに (shu)
2021-06-03 09:01:25
山歩きさん おはようございます。
遠野に関する様々な話題を分かりやすく教えていただき、ありがとうございました。

『遠野物語』は、私たちの世代でも、すでに古典になって来つつあるように思います。
旧漢字、旧仮名遣いの文章は、慣れると味わいがありますね。
全くの私見ですが、たしかに遠野は民話の宝庫だったと思います。しかし明治時代にはまだ全国各地にたくさんの民話が残っていたはずです。
その時代に柳田國男氏によって丁寧に調査された遠野の民話が今も残り、一方で全国各地の民話は、時代の変遷と共に姿を消したように思います。
当時、もっとたくさんの柳田國男氏のような方がいればよかったのにと思います。

フォーク・グループ『飛行船』は覚えていますが、彼らの『遠野物語』は記憶にありません。
そして、『五芒星』のことは聞いたような聞いていなかったような、うつろな記憶があります。

古い時代に作られた、全国各地の寺社仏閣の配置には、いくつかの共通性があるように思います。
一つは信仰の中心に向かっての直線上の配置です。
私の郷里のことで恐縮ですが、平安時代に作られた白山五院は、霊峰白山に向かって4つの寺院と鞍掛山が一直線上にあります。
風水を意識した配置も、共通する特徴の一つだと思います。やはり私の郷里のことですが、町の鬼門・裏鬼門には大きな神社があります。
このようなことは珍しくないと思いますが、若い世代の人にとっては新鮮で、ニュース性もあるのでしょうね。
歴史を紐解くきっかけになってくれればいいと思いました。
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きっかけ (山歩き)
2021-06-03 17:10:51
 Shuさんこんにちは。コメントありがとうございます。
 実は『遠野物語』を読んだことがありませんし、リアルタイムで聴いたことがありません(時々懐メロ的扱いで耳にします)、そんな私が今回の話題を『遠野物語』に仕立てたのは気が引けます。

 仰るとおり、日本国中民話の里だらけだったのでしょうし、今でも遠野みたいな、あるいはもっと筋金入り?の民話の里があるのかもしれませんね。
 私は遠野に泊まった時民話の語り部による『ムガシ アッタズモナ(昔 あったそうだ)』で始まるお話を聴いたことが一度有り、面白かったという記憶があります。

 寺社仏閣の配置について白山五院の事例をご紹介いただきましたが興味深いですね、ブログでは省略しましたが、件の宮司さんは早池峰山を起点とする一直線上には多くの神社仏閣が並んでいることも確認したそうです。
 私が一番興味深かったのは、ブログで紹介した、『ま(魔)を除いたのでは』という川柳にもつながる?見方でした。

 今回の記事を読んで真っ先に思いついたのが、中島みゆきの『地上の星』、そしてナスカの地上絵でしたし、岩木山神社の大きな鳥居の向こうにそびえる『山』の形をした岩木山も浮かびました。また、ネットで調べたら平城京が中心となる大きな五芒星があり、頂点の一つが伊吹山でした。
 横道にそれそうですが、このような話題は好きな方ですので、これからはアンテナを高くして五芒星を見つめてみます。
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