実は筆者は、この分野で仕事を始めたのが人生のスタートで半世紀前となる、光陰矢の如しで、時が過ぎ去ったスピードは超速いと感じている、今回のテーマは経験が早い割に、何のことだか十分に理解してない、データセンターはイメージ出来るが、クラウドの説明は明確に出来ない、これらを使いこなして来てないし途中で仕事の内容を変えたり、何より早い時期に海外に出掛けてしまったので中身が飛んでしまっているし、経験の継続性はない、しかし長い期間に於いてシステムの変容が起こっていた事は理解しているつもりだ、何せ日本で大手と言われていた富士通、NEC,日立、東芝が世界の変化に追随してないから、個人レベルでダメ人間だと思っても誰も気にはしない。
しかしそこには株主がいたり仕事の現場で多くが働いているし家族もいる、この分野が日本を牽引してくれないとどの分野になら就職しても良いとは言えない、この4社だけと言っても、当時も今も入社には高いハードルが有るだろう、所謂エリートが入社していた会社が今は全く元気がないし、世界の強豪ベンダーに追い越されてしまったので産業界から観たら検討の対象外で有ったりしている、何故が原因かと聞かれればトップの知見が時代にマッチしてなかった、判断力がなかったかもしれないが、こんな経営体質では社員は不幸だ、給料に差が有り、同じ業界での存在感が無くなっている場合も有る、その例が東芝だ、今や解体か分社化と言われていて、何かを生み出す会社とは思われていない。東芝と言う社名が無くなるかもしれない。
こんな会社に優秀な就職希望者は集まらない、駄目東芝になった切っ掛けは原子力分野のウエスティングハウスを高値で買収したのが原因とも言われているがその時はエネルギー資源を持たない日本には必要で有ったとも言える、高値と言っても2千億円位なら、当時の経営陣にとってたいした金額でなかったで有ろう、地震や津波等の自然災害が少ない国でなら設置に問題ないが、これが事故となれば影響は大だ、それを恐れていてはエネルギー確保はどうするとなる、産業界には必要な資源で有った。
日立製作所は以前から地味な会社で社員も若い頃は給料が高い会社では無かった。勤めたいとは思わないが順調に業績を伸ばしていると思っている、しかし昨年の春に1兆円もする米国のソフト開発会社を買収するとアナウンスした、金額に驚いたが会社名を聞いた事もない無名な会社で有る、サンノゼに本社を置く、世界展開はしているが買収を繰り返した結果で、その会社がIT分野で画期的なソフトを世に出す、と言う話ではない、アップルもグーグルも小さな会社を買収して(技術の開発期間をお金で買う)大きくはなったが、その会社はそんなコアーとなるソフトはない、しかし化けるかもしれない、事は有り得るが、ここで問題なのは日本企業の「高値買い」だ、買収金額が大きい会社の買収で失敗する例は日本企業に多い。
買収に関わる会社は当然日本の会社は緩い事は知っている、しかもそこには既にベンチャーキャピタルやコンサル会社がアドバイザーとして協力している、日立にとっては面倒な連中で有る、3月末に公表して国内では株価が7%下落する、投資家にはNOと言われた案件だ。
買収が完了したのは7月18日だ、この位の期間は必要だろう、問題はここで買収に関する条件だが当時の売上高は年間で1300億円程度(約12億ドル)、これを96億ドルで買収、EBITDA(税前利払前償却前利益)が2億490万ドル(約260億円)、一般に買収額はEBITDAの8倍から12倍程度が適切な額と言われていて20倍を超える案件はまれだ、それを日立は37.4倍で買収する。
そんな時に今回のウクライナ戦争が起こった、買収の案件でウクライナ企業が有って、そこ経由で社員数を7千人も抱えていた、人件費が安くIT人材は豊富で有ったからこの国で人を増やしたのは分る、全世界の従業員が約2万人だから人種構成からしたらウクライナが多い、今のウクライナの状況からして開発をこの国で継続は無理、これをどうするかだ、大変な数の社員をリストラすれば開発力は落ちる、この会社は日本で見られるソフトをユーザー毎に開発するアウトソーシング的な構造になっているから売り上げは落ちるだろうと想像出来る、日立は失敗を抱えたのか。
富士通は関連会社を含めれば大きな会社だ、中堅の社員のリストラが以前から進行していて、希望退職者を募ると多くの希望者が現れる、何処の会社も人件費は重圧だ、これを減らしてと思っているだろうが、富士通は極めて国内向けの会社だ、ノキアやエリクソンなどと違い外国では稼げていない、内弁慶な会社になってしまっている、経営の失敗が経営陣に有るのに最後は給料の高い中堅社員が犠牲となるのは日本の大企業のパターンだ。
NECはNTTの仕事をしていれば大丈夫かなと思っていた企業だ、医療分野に進出しているが大きな稼ぎにはなってないだろう、通信分野で世界で活躍して欲しいが体質が国内向きかもしれない、新聞紙上でも話題となる記事に出会わないから地味に仕事しているだろう、この会社からスピンアウトして成功した企業を知らない、東芝の様に節目で驚かすような商品を出した記憶もない、若い頃経営意思決定のデシジョンルーム構想を公表したから、それに関するセミナーと米国視察の話を持ち込んだ、資料は米国の英文事例を持っていたのでそれを見せたが、個人の名もない男が自分たちより多くの資料を持っているのに驚いた様子で有った、話は前進しないし、それを取り入れる企業も無かったかもしれない。そんな程度では困るんだ、DXで早く画期的な商品を出してくれ。
デジタル庁が昨年9月に発足した、NO2がおばあちゃんで当然DXもITも知らない素人、大臣も若いが実務での経験者でない女性政治家、実務を仕切る幹部と人材は1/3が民間出身者で有る。寄り合い世帯だから運営に支障を来すだろうと想像出来る、マイクロソフト出身者の幹部が2月に去った、日本企業出身者幹部は居なくて外資経験者が収まっている、急に人を集めると登録している人の多くが外資系が多いから当然だ、彼ら外資が優秀とは言えないが結果はこうなる、転職経験者が多いのが実態だ。
岸田政権の弱点は政権内部の担当大臣の未熟度に有る、説明能力がないワクチン担当大臣も3月末で止める、外務副大臣にロシア通とされる鈴木の娘を置いているが若いから未熟だ、鈴木が失職して自民党を離れたから娘を地元で引き継がせた。野党から自民にしただけだから中身はない、こんな事が平気で行われる日本政治の腐敗だが、それを受け入れる地元が悪い面は当然ある。