「小西さん、泣いてください！」

体操を見ていたのね。金メダルはやっぱり感動したけど、何より私が気に入っちゃったのは、解説の小西さんだった。金メダルが決まった瞬間から小西さんは、大粒の涙をぼろぼろ流した。（以下小西さんの様子は私の想像。だって、画面には映っていないんだ・・・）すると、やっぱり興奮気味のアナウンサーが言ったのね。
「小西さん、泣いてください！」
偉い！このアナウンサーは偉いね！他人の気持ちの良くわかる人よね。で、小西さんは、お言葉に甘え、ぼろぼろ泣いた。しばらく声は出さなかったもん。その間、アナウンサーは一人でしゃべるしゃべる。隣の小西さん、泣く泣く。
しばらくして、落ち着いたのか、小西さんは涙声で話し始めた。体操日本復活のために、20年計画で人材を育ててきた関係者の努力の賜物だ、と。この日のために多くの人々が、力を合わせてきたんだと。
だいたい、小西さんのことは、うとうとから、TV観戦体勢に入ったその時から、気になった。絶対に批判はしないのだ。
そもそも、ああいう競技は採点方法って、素人には、解りずらいじゃない？「んっ！？」っていう採点も中にはあった。でも、
「妥当な採点だと思います。」って、何回か発言した。
そして、本当に、「えっ！？」と思う採点の時は、何も言わなかったんだ。かなり真面目で、実直な人だと、密かにファンになった。
そして、選手が表彰台に上がると、放送席から手を振った。いまや戦友とも言うべきアナウンサーと２人で。いいおじさんが、ニコニコと、二人並んで手を振っちゃってるんだ。想像すると可笑しい。選手もそれに答えて手を振り返したの。放送も終了時間になると
「小西さん、今日はどうも、ありがとうございました。」
「はいっ！ありがとうございましたっ！！」少年のような良いお返事！
「お別れするのは、惜しいようですが、これで、体操会場からお別れです。」
良いよね、このアナウンサーも・・・。何ていう人だったんだろう？
個人戦、種目別も俄然楽しみになっちゃった。絶対おきてて応援する！小西さんの事を・・・。