すっかり更新が停滞しており、お詫び申しあげます。
今回は汚水槽についてのお話です。
いきなりですが、 バキュームカーって最近聞きますでしょうか。
一般的な解釈としては
「ああ、水洗トイレになる前の ボットン便所のときによく見たね」
「いまでも田舎のじーちゃんばーちゃんの家に たまに来ているね」
「あの車が通るだけで、残り香がしたよね」
「あの時代はよかった。 それに引きかえ最近の若いモンは カーッペッ」
というのが、 ビル管理に関係ない方、あるいは地下での店舗運営等に所縁のない方の
一般的な感想と思います。 かくいう私もこの業界に入る前はそうでした。
特に最近のヤングティーン(表現が古いな)は
「バキュームカーなにそれ美味しいの(^q^)」 という方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
そんなバキュームカーですが、 現在も必要とされていますし

(▲ これがバキュームカーです)
毎日どこかでバリバリ活躍しています。
なぜか。
それは、「汚水槽(雑排水槽)」というものがあるからです。
汚水槽というのは、地下にトイレやキッチン等がある建物には 間違いなく存在します。
なぜでしょう。
一旦 クエスチョンマークは心の引き出しにしまっていただいて、
それではここで私の描いた絵をみてください。 題して「汚水槽が無いビル」

どうです。よく分からないでしょう(← いばるな)
下水道というのは、私たちが普段地上を歩いているときに
足下を流れています。
つまり、地下にいるとき、下水管は
頭上あるいは目線の高さにあります。
地下にいる人がトイレの水や手を洗った水などを
流しても、重力がある限り、上には揚がってくれませんね。
・・・お分かりでしょうか。
汚水槽とは、
『地下で流した水を一旦溜めて
ある程度まで溜まったときにポンプが作動し、
水を下水道まで流すためのシステム』
なんです。
↓つまりこういうことです。

地下の人も、汚水槽があれば
地上の人と同じように、水を流せるんです。
よかったね!地下の人!
そして、ここでバキュームカーが何故必要なのかを
おさらいです。
( ゜Д゜)< 汚水槽のポンプで下水道まで汲みあげるんでしょ。
(゜Д゜ )<それなら わざわざバキュームカーで汲み取らなくてイイジャン
ネー( ´・д・)(・д・` )ネー
そのとおりなんですが、
地下にいる人だって
水以外にもトイレットペーパーを流しますよね。
その固形物は、たとえ「水に溶けるトイレットペーパー」であっても
必ず、なんらかの固形物が残ります。
(ドロドロには成りますが、『完全な液体』には成らない)
そして、
固形物は少しずつ堆積し、
いずれは汚水槽を埋めていってしまうんです。
(※この辺、参考画像は山ほどありますが、汚いので画像は貼らないでおきます)
そうならないように。
そして、
普段 誰にも気づかれる事なく感謝されるでもなく
文字どおり縁の下で働いている、
汚水槽さんとポンプさんを
「よっ調子はどうだい。元気かい」
と労い、綺麗にしてあげるのが、
バキュームカーに乗る人たちの仕事なのです。
ガッテンしていただけましたでしょうか
ガッテンガッテンガッテン ヤバセバビデス
※ここでビル管理会社からのお願い
地下のレストランやバー等のあるビルの汚水槽で、
たまに汚水槽内に信じられない物が
落ちていることがあります。
実例:栄養ドリンクのビン
Tポイントカード
コンビニのビニール袋
男性用パンツ (ユ○クロ製でした)
カップケーキのプラスチックの器
もしポンプで吸い上げられない物が汚水槽に流れ込み、
ポンプを詰まらせてしまったら…。
ポンプは故障し、汚水槽内にはそれでも
汚水が流れ込み続けますので…
溢れます。
(実際にあふれた場面に緊急出動したこともありますが、それはもう惨劇です。)
よく言われていることですが、
トイレにゴミを絶対に流してはいけませんよ!
困るのは罪の無い人たちですからね!
↓実際に汚水槽から回収したものです。
(拡大して見たい方はクリックして下さい『閲覧注意』)
