Ryojinブログ

剣道のこと、オオカミ復活運動のこと、そして紀州犬のことやいつも行き来している大好きな京都のネタなども綴っていきます。

オオカミ協会の講演会

2016-03-10 17:04:11 | オオカミ復活

  過日、和歌山県の田辺市上富田町で「日本オオカミ協会」主催の講演会が開催され、僕も役員としてお手伝いに出向きました。

今回の講師はアメリカ人でイエローストーン国立公園で公認のネイチャーガイド(全米国立公園ツアーオペレーターで野生動物、オオカミとクマ専門・・)を努める専門家のスティーブ・ブラウンさんの講演がメインでした。

彼は日本語が堪能で(奥様が日本人・・)かなり突っ込んだ会話も可能な程なのですが、何のことはない・・・地元モンタナ州の大学で日本史を教えていた程の経歴の持ち主で、専門は「空海」の研究らしいです。

  自身の経営するガイドの会社がとても忙しくなり、教鞭からは離れたみたいですが・・・講演もやはり大学での講義に慣れているせいかとても上手で観客の関心を引いていましたね。

  イエローストーン国立公園では1995年に、当時すでに絶滅していたオオカミをカナダから再導入し、その後増えすぎたエルクによる植生被害がこの10年程の間に劇的に回復し、これら生態系の正常化と同時に他の野生動物バイソン、クマ、コヨーテ、キツネ等々の生息数や分布状況も過去の正常といえる状態にまで復活し更に、最近ではほとんど見られなくなっていたビーバーが川に戻ってきて、ついには人工のダムを造らなければならいだろう、という計画も見直される見込みで、それほど河川の様子までもが自然に戻ってきていると云うことでした。

食物連鎖に基づく生態系の復活による生物多様性・・・これがいかに自然界にとって大切かと云うことが、とても良く判りました。

  他にも、これは大きいことですが、世界中からオオカミを見学するツアー客の増加による地元への経済的な波及効果が年間1兆円以上にも上る、という大変な相乗効果も生まれ、このオオカミの再導入により生態系が回復したことで、それによってもたらされた様々な事例を踏まえ、それらの経緯や現状について詳しく話を聞くことができました。

現在イエローストーン国立公園には約1500頭ほどのオオカミが生息し、その数も安定した状態であり本来の自然のあるべき姿に戻ってきたと云うことが良く判りました。

  講演会場は約100人程の参加者でほぼ満席の状態になり、最後の約30分間の質問タイムも積極的な意見交換もあり、かなり盛況となりました。

これは僕らにとってとても喜ばしいことで、まずは成功裡に終わりましたね。

  やはり、アメリカから専門家が来て、それも日本語で講演する・・・という、この問題(日本国内の深刻な獣害対策には、生態系の復活以外あり得ない、この為の中心となる生き物は、以前はこの国にも生息していたオオカミを再導入させることに尽きる・・・という考え)に興味のある人達にとってもとても値打ち感があり、それがこのような結果に繫がったと云う気がしないでもありません・・・僕的に情緒的なことを云わせてもらえば・・・庶民感情的なものの本質を少し垣間見たかなぁ・・みたいな少々複雑な思いもありますが・・・結果オーライですね。

  質問者の中には反対意見・・・と云うか、理解しかねる・・・的な方々もいる訳ですが、このことについても極めて紳士的な遣り取りがなされ、これも偏に講師が外国人・・アメリカ人・・・何か貴種流離譚的・・・とでも云いましょうか・・同時にそんな気もしました。

過去の講演会などでは何度か、大声で自分のオオカミ感をまくし立てたり、浅はかな知識で持論を延々と話したりして講演の進行が滞るような・・・そんなこと普通にありましたから・・・。

  とにかくそんなことで楽しくアカデミックに豊かな時間を過ごすことができました。

このことがあって、奇遇とも云える意外な出会いやご縁もあり、続き・・・あります・・・・。

 

 

 

 

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