投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

日本語の真実


妄想だらけの朝鮮人が書いた、似たような名前の本をイメージしてはいけない。

三浦朱門 「日本語の真実」 海竜社

日本語の真実

海竜社

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2003年1月14日 第一刷発行

著者は大正15年東京生まれ。
東京大学言語学科卒。
日大芸術学部につくとともに第15次新思潮に加わり作家活動に入る。
中国西域を扱った「冥府山水図」が文壇デビュー作。
昭和42年「箱庭」で第14回新潮文学賞受賞。
昭和60年4月から61年8月には文化庁長官を務める。
平成11年第14回産経正論大賞受賞。
日本芸術文化振興会会長。
日本文芸家協会理事。




明治以降の日本は江戸時代とは切り離して考えなければならないということを何かで読んだことがある。

それほど日本人は日本という国を造り変えてしまった。

日本語も同じである。

明治の日本人は日本語を見事に変身させてしまったのだ。





p215 明治34年 逍遥が書いた小学校の教科書、高等小学校用巻六

   この段階で既に、洋風の緒概念は完全に翻訳され子供にも理解
   できるようになったと言えよう。

   この文章の漢字の用法は、既に旧幕時代の学者の漢字の用法とは全く
   違って新しい概念を表し、異なる用法となっている。

   この時代に、固有名詞は片仮名で表記されるなど、今日の日本語の
   原則が定められているのを知ることが出来る。

   「ワットは英国蘇格蘭(スコットランド)の人にて、名をジェームス
    といひ、西洋紀元1737年にうまれき。幼時、身体虚弱なりしかば、
    学校に通ふこと叶はず。家庭の教育のみ受けたりしが、天性怜悧
    にして、物理の孝索を好みたりき・・・」

p216 若松賤子(しずこ)「小公子」

   little load fauntleroy

   「ヂックというのはね、靴磨人(くつみがき)で、そうして、
    大変好い靴磨人(くつみがき)なンです。
    いつでも、下町の角に立っていますよ。」

p218 自国語で大学の授業をする国がヨーロッパと南北アメリカ大陸を除いては例外であることを知った。

p220 東洋の文化も西洋の文化も共に吸収しえた言語はまず日本語であろう。

p221 日本語の便利さは日本人を言語的鎖国状態にしてしまう恐れがある。






若松賤子(しずこ)「小公子」の文章は明治のものなのだが、江戸時代の文体とは全く異なっている。
その文体からは西洋の雰囲気が伝わる。
日本語はすっかり西洋の雰囲気を伝えることが出来るまで変身しているのだ。


漢文には限界があるということも書かれていた。
漢文は幾通りにも解釈できる。

ある旧制高校で初代校長の碑を建てることになり、その碑文を漢文で書いた。
その人物の生き方をうまくとらえた文であるように皆思った。
ところが台湾からの留学生が異をとなえる。
別のネガティブな解釈が出来るというのだ。
そういわれてみればそうだと皆、その意見に納得する。

人に物事を適格に伝えるということには中国語と漢字の組み合わせは不適格なのだ。





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コメント一覧

k-74(投錨備忘録)
コメントありがとうございます
で、



ここで注目しなければならないところは



>日本は他の国の影響を受けて



というような受動的なことではなくて、いかに鮮やかに速やかに巧みに日本人が自らの手で自らを変身させていくかということなのだ。



受身じゃないんだよね。
T.N.
日本語
最近、若者言葉で「与謝野ってる」っていうのが

髪が乱れているという意味だ・・・というのを

テレビで見ましたが、う~ん・・・と思いつつ

ナルホドとも思ってしまった。

日本は他の国の影響を受けて今日があるとは思う

けど、これから日本語はどんな言葉になっていく

のだろう・・・と、ちょっと考えてしまった"^_^"。





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