投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

サザエさん №7 - 長谷川 町子(朝日新聞社)

サザエさん (7)
長谷川 町子
朝日新聞社

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昭和26年8月~昭和27年1月。

講和条約の締結も翌年に決まり、公職追放解除、米の統制撤廃など太平洋戦争の後処理も進み、磯野家は三泊四日の箱根旅行ができる余裕も出た時代。ピカソ展が開かれるなど東京は文化的な余裕も出てきた。

コカ・コーラ社は類似飲料ニホン・コーラの製造販売差し止めを求めて東京地裁に提訴したり、東洋レーヨンがナイロン生産技術導入契約を米デュポン社と調印したりと日米は経済活動に忙しい。第1回プロ野球オールスター戦開幕があったり、チャタレイ裁判が東京地裁で開廷したり、手塚治虫『ジャングル大帝』刊行したのもこの年。









P5
祝講和。

P14
箱根の温泉。地熱でゆで卵。一個15円。

P19
追放解除。

P23
タラちゃんが「ギョーッ」。流行か?

P27
ナミ平、カミソリで髭をあたる。安全カミソリが主流になるのはいつ?

P31
日本航空。

P35
ピカソ展。

P42
松茸、百目3500円。

P52
メニューヒン

P85
お米 統制 撤廃

P120
土管で寝る乞食

P108,134
マスオの会社に学生服を着た見習いがいる。




P5はサンフランシスコ講和条約のこと。ワカメがいたずらしてナミ平の扇子に墨をつけてしまった。サザエが点々とついた墨をたどって「祝講和」の文字を書いてごまかすというもの。

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1951年7月20日、米英共同で日本を含む全50ヶ国に招請状を発送「中国」に対しては代表政権についての米英の意見(中華民国か中華人民共和国か)が一致せず、日中間の講和については独立後の日本自身の選択に任せることにして招請は見送られた(1952年4月28日、中華民国との間に日華平和条約を調印。1952年8月5日発効)。

8月22日、フランスの要求を容れインドシナ三国(ベトナム・ラオス・カンボジア)にも招請状を発送。

9月4日から8日にかけて、サンフランシスコ市の中心街にあるオペラハウス(War Memorial Opera House)において全52カ国の代表が参加して講和会議が開催された。インドはネール首相が「彼ら(日本)は謝罪が必要なことなど我々には何一つしていない。それ故に、講和会議には参加しないし講和条約にも調印しない」との意思を表明し[要出典]招請に応じなかった(1952年に日本とインドは日印平和条約を締結)。また、ビルマとユーゴスラビアも招請に応じなかった。

日本の全権団は首席全権の吉田茂(首相)、全権委員の池田勇人(蔵相)・苫米地義三(国民民主党最高委員長)・星島二郎(自由党常任総務)・徳川宗敬(参議院緑風会議員総会議長)・一万田尚登(日銀総裁)の6人。吉田はできるだけ「超党派」の全権団にしたいと考えていたため、野党国民民主党の主張する臨時国会の召集要求を呑むなど、妥協の末、委員参加を取りつけた。また、日本社会党に対しても全権委員参加を要請したが、後述の通り、左翼陣営は基本的に「全面講和」を主張していたため不参加となった。

9月8日、条約に49カ国が署名し講和会議は閉幕した。ソ連・ポーランド・チェコスロバキアの共産圏3国は講和会議に参加したものの、同じ共産主義国の中華人民共和国の不参加を理由に会議の無効を訴え署名しなかった。
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P14は夏休みか?鶏卵の価格安定度は抜群で価格変動が少ない商品。しかし昭和27年当時の15円が高いのか安いのか・・・。

P19は公職追放解除。8月6日、第2次公職追放解除(鳩山一郎・岸信介・正力松太郎ら1万3904人)を発表。8月16日、旧陸海軍将校1万1185人を追放解除。

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講和が近づくと1950年に第一次追放解除(石井光次郎・安藤正純・平野力三ら政治家及び旧軍人の一部)が行われた。翌1951年5月1日にマシュー・リッジウェイ司令官は、行き過ぎた占領政策の見直しの一環として、日本政府に対し公職追放の緩和・及び復帰に関する権限を認めた。これによって同年には25万人以上の追放解除が行われた。公職追放令はサンフランシスコ平和条約発効(1952年)と同時に施行された「公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令等の廃止に関する法律」(昭和27年法律第94号)により廃止された(なお、この直前に岡田啓介・宇垣一成・重光葵ら元閣僚級の追放も解除されており、同法施行まで追放状態に置かれていたのは、岸信介ら約5,500名程であった)。
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P23はワカメがタラちゃんに教えた。何かの流行だと思うのだが分からない。

P27は剃刀。昔、散髪屋さんで使っていた鋼でできていて柄がついた物(今でも散髪屋さんで髭を剃る時に使っているが、あれはほとんど大半が替刃の物)。安全剃刀は1901年、アメリカの発明家キング・キャンプ・ジレットが製造してからだが、日本での普及はいつのころなのだろうか。フェザーが日本にはあって安全剃刀を製造していたと思うが、1960年にカミソリの貿易自由化が許され、ジレット、シックなどの商品が日本に上陸し、1962年には替刃も完全自由化したそうだから、この頃までまたなくてはならないのだろうか・・・と思っていたら№8ではマスオが安全剃刀を使っていた。

P31日本航空。1951年設立だから、この年だ。8月20日には日本航空に初のスチュワーデス15人が入社。

P35は7月26日、日本橋高島屋で開催された。

P42は、百匁(もんめ)のこと。これを百目(め)と使うことがあった。1 匁 = 0.00375 kgだから、百匁は375g。今、一番安そうなトルコ産の松茸が中サイズ(M・ML)で中つぼみ・中びらきで250g 某店通常価格 7,800円 楽天特別価格 3,990円。中国産が中サイズ(M・HA)つぼみ・中つぼみ250g 某店通常価格 6,800円 楽天特別価格 4,515円。国産のが、ひらき・中びらき400g徳島産すだち2個おまけ付き!某店通常価格29,800円 楽天特別価格 26,040円。さあ昭和26年の3500円は高いか安いか。べらぼうに高い気がする。

P52はユーディ・メニューイン(Yehudi Menuhin 1916 – 1999)。初来日は1951(昭和26)年9月15日。最初の演奏会は9月18日午後7時開演。場所は東京の日比谷公会堂でした。2階正面の席には来賓のリッジウェイGHQ総司令官夫妻や吉田茂首相夫妻などの姿もあったそうだ。

P85はサザエは米の統制が撤廃されたら困ると心配する。季節はセータを編んでいるから早秋か。しかし11月に政府はGHQの反対で米の統制撤廃を断念するのだ。

P120は最近まで見かけた光景。ただ今は土管自体をそうそう見かけないので・・・。

P108,134、これは夜学生(定時制高校生)なのだろうか。P5にも出てくるし、他の巻でもたびたび登場する。もし仮にそうだとすれば、この頃の学生社員の月給が3500円だったと実際に勤めていた人の経験談としてどこかで見たから、やはり先の松茸の3500円が高いことが分かる。


(2008年9月)







                --- 参考 ---

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・ サザエさん №01 - 長谷川 町子(朝日新聞社)  coming soon
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