本日は、池波忍者の長編「忍者丹波大介」を紹介します。
<評価>☆
忍者ものにこだわりがあるオレ的には、評価は低いです。
しかし、うちのオヤジは本書を読んで「あれはすごく面白かったな~」と言うておりました。オヤジ的には☆☆☆の満点です。
ま、なんかの忍者本にも本書を池波忍者ものの代名詞として紹介してありました。オレのたわごとは無視してOKです。
<ひとり言>
ま、オレが司馬忍者ものの続きを読みたいと思っていたのが、そもそもの間違いです。司馬もの、池波もの、それぞれが独立した作品ですからね。
個人的には、大介と伊賀忍者・小虎との戦いや、甲賀忍者・岩根小五郎のかっこよさ、大介のおば・笹江のぶきみさは好きでした。
<内容>
甲賀忍者・丹波大介は真田家の忍びとして活躍。
しかし、頭領・山中大和守俊房は徳川家康のために働くことに決め、真田幸村暗殺を企てる。その指揮を大介にさせることに。
悩む大介は甲賀を裏切り、幸村のために働くことを決める…。
<余談>
本書には、岩根小五郎や奥村弥五兵衛、向井佐助といったおなじみの忍びが登場します。本書の続編にあたるのが「火の国の城」です。
<池波忍者は山本マサ?>
え~、いつも池波忍者と司馬忍者について考えているオレです。
思うに司馬忍者の主人公・葛籠重蔵や霧隠才蔵はプロ野球でいうところの松坂やマー君のような存在ですね。最初からスーパーマンです。だから、どんなピンチでも一人で何とかします。
池波忍者は、中日の山本マサや広島の黒田のような感じですね。入団して数年はパッとしない。しかし、数年後に球界のエースとなる。だから、ピンチになると必ず誰かが(偶然)助けてくれる、というような…。
大介も「蝶の戦記」のお蝶も、出だしはそこそこの忍者ですが、話のラストあたりや次の作品ではスーパー忍者に成長しています。
<ラスト>
個人的には「ちょっと…」という終わり方です。オレ的にはイマイチです。これが良いという人も多いでしょうが、人ぞれぞれというところで…。
オレ的には、大介と於志津のハッピーエンドを望んで読んでおりました。
<余談2>
なんか、いつもこんな感じですが、けっして池波さんを嫌いではありません。明日は、非常に面白かった直木賞受賞作「真田騒動」を紹介したいと思います。