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『呂氏春秋』巻第八仲秋紀

2017-08-10 10:09:10 | 四書解読
巻八 仲秋紀

一 仲秋

一に曰く。仲秋の月。日は角に在り、昏に牽牛中し、旦に觜嶲(シ・ケイ)中す(予備の二十八宿を参照)。其の日は庚辛、其の帝は少皞、其の神は蓐收、其の蟲は毛、其の音は商、律は南呂に中る(予備の音・律を参照)。其の數は九、其の味は辛、其の臭は腥、其の祀は門、祭るには肝を先にす。涼風生じ、候鴈來たり、玄鳥(つばめ)歸り、群鳥、羞を養う(高注:寒気将に至らんとして、羣鳥、その毛羽を養進して寒を御すなり。『月令』の鄭注は、「養羞」を食物を保存する意に解している)。天子、總章の太廟に居り(予備の明堂を参照)、戎路に乘り、白駱を駕し、白旂を載て、白衣を衣、白玉を服び、麻と犬とを食らう。其の器は廉にして以て深し。是の月や、衰老を養い、几杖を授け、麋粥飲食を行う(高注:麋粥(ビ・シュク、おかゆ)を飲食するの禮を行う)。乃ち司服に命じて、衣裳を具え飭えしむ。文繡に常有り、制に小大有り、度に短長有り、衣服に量有り。必ず其の故に循う。冠帶に常あり、有司に命じて、申ねて百刑を嚴にし、斬殺必ず當り、枉橈(事実を枉げて罰すること)或ること無からしむ。枉橈して當らざれば、反って其の殃を受く。是の月や、乃ち宰祝(祭祀を司る役人)に命じて、犠牲を巡行せしむ(犠牲の飼育状況を視察させる)。全具を視、芻豢を案じ(芻は、草食の動物、豢(カン)は、穀物を食べる動物)、肥瘠を瞻、物色を察し、必ず比類して、大小を量り、長短を視、皆度に中らしむ。五つの者備に當りて、上帝其れ享く。天子乃ち儺(ダ、おにやらい、悪鬼を祓い、疫病を除くこと)して、佐疾を禦ぎ、以て秋氣を通ず。犬を以て麻を嘗め(犬肉を添えて麻を食すこと)、先づ寢廟を祭る。是の月や、以て城郭を築き、都邑を建て、竇窌(トウ・ホウ、穀物保存用の穴)を穿ち、囷倉を修めしむ可し。乃ち有司に命じて、民を趣して收斂せしめ、務めて菜を蓄え、積聚を多からしむ。乃ち麥を種うることを勸め、時を失うこと或る無からしむ。罪を行いて疑うこと無し。是の月や、日夜分(ひとしい)しく、雷乃ち始めて聲を収め、蟄蟲戸に俯す(畢沅云う、「俯戸」、月令は坏戸に作る。「坏」の義はふさぐ、冬眠用の穴の入り口を土で塞いだ)。殺氣(陰気)浸(ようやく)く盛にして,陽氣日衰え、水始めて涸る。日夜分しければ、則ち度量を一にし、權衡を平らかにし、鈞石(おもり)を正しくし、斗甬(ます)を齊しくす。是の月や、關市を易くし、商旅を來たし、貨賄(貨財)を入れ、以て民事に便す。四方來たり襍(あつまる)まり、遠鄉皆至れば、則ち財物匱(とぼしい)しからず。上、用に乏しきこと無く、百事乃ち遂ぐ。凡そ事を舉ぐるには、天數(高注:天數は天道なり)に逆らうこと無く、必ず其の時に順い、乃ち其の類に因る。是の令を行えば、白露降ること三旬なり。仲秋に春の令を行えば、則ち秋雨降らず、草木榮を生じ(「榮」は華、すももや梅の類)、國乃ち大恐有り。夏の令を行えば、則ち其の國は旱し、蟄蟲藏れず、五穀復た生ず。冬の令を行えば、則ち風災數々起こり、收雷先だちて行われ、草木早く死す。

二 論威
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