常楽院

福島県南会津町 真言宗

復幸 ~お大師様とともに~

2015-03-14 | Weblog
 

3月11日(水)東京国際フォーラム ホールA に於いて、真言宗豊山派仏教青年会のみなさんによる
 東日本大震災復興への祈り 復幸  ~お大師様とともに~
が開催され、数人の仲間や家族とともにホールに出かけました。

100人以上の仏教青年会の皆さんによる声明:静かな中にも力強さを感じました。天井からはらはらと舞い落ちる散華がとてもきれいでした。

中国の僧侶、玄奘三蔵によって訳された『大般若経』六百巻をステージの上で一斉に掲げての転読:僧侶の皆さんの大きな転読の声と、目の前に一斉に広げられた百巻以上の経典の黄色が扇子のように開くさまは華やかさを感じました。

ご詠歌:「阿字(あじ)の子が 阿字の故郷 たちいでて またたちかえる 阿字の故郷」と唱える常住(じょうじゅう)と言う御詠歌が唱えられました。阿の字とは大日如来のことで、私たちは大日如来から生まれ、また、大日如来のみもとに帰ってゆくんだよと言う 命の唄で、お大師様が愛弟子がなくなられたときに詠まれた詩といわれています。心を込めたお唱えと鈴鉦の響きに祈りを感じました。

渡辺貞夫氏のアルト・サックスの演奏:ピアノに合わせたどちらかと言えば静かな演奏は、ジャズと言うとにぎやかと言うイメージを持っていた私の思いをいい意味で裏切ってくれ、鎮魂の思いを感じて聞きました。それにしても彼は80歳を超えた現役プレーヤー。歳を感じさせない演奏と肺活量に脱帽です。

林英哲氏と風雲の会の和太鼓演奏:全身筋肉と思わせる身体と大きな和太鼓から響いてくる振動と力強い音は復興を後押しするぞ!と言う思いとともに客席の私たちにも伝わってきました。60歳を過ぎたとはとても思えない英哲氏の身体に、日頃の鍛錬の大きさを知りました。

千響:真言宗豊山派仏教青年会の中に組織された、林英哲氏に師事する太鼓集団とのこと。そう言えば、以前サントリーホールで聞いた千響のコンサートは彼、彼女等の発足コンサートでした。あの時「和太鼓って素晴らしいな。」と思ったのでした。黒い僧衣(?)に和袈裟をかけた格好での演奏は本当に力強いものでした。その太鼓に合わせてのお経、マイクを使っているとは言え太鼓に負けない声の張りと伸びに感服。お唱えに参加していた副住職が、終了後に私たちとお茶の時間を持った時に「太鼓が痛いくらいビンビン響いてきて、自分たちの声がわからなかった。」と笑っていました。

ステージに立った方々は勿論でしょうが、このコンサートを企画、準備、運営してこられた多くの仏教青年会のみなさんはもっともっと多くの大変さを味わってこられた事と思います。本当にお疲れ様でした。

「震災の記憶を風化させることなく、そして、自分たちに出来ることを続けていく。被災された皆様の笑顔が見られるよう、復幸(またしあわ)せを取り戻せるように、一日も早い復興を祈念すべく会員一丸となって準備を進めてまいりました。お大師様とともに一心に祈りを捧げる。皆様との祈りは大きな力となり、復幸への一助となることでしょう。」と言う真言宗豊山派仏教青年会 第30代会長 根元氏の言葉。
「私たちは、誰もが復幸(またしあわ)せを取り戻せるその日まで祈り、寄り添い続けてまいります。そしてこの事業が東日本大震災を体験された全ての方の安らぎに少しでもなりますことを、ご祈念申し上げます」と言った コンサート実行委員長 花園氏をはじめとした会員の皆様の思いが強く感じられた、素晴らしいコンサートでした。

コンサートの収益は、東日本大震災の支援活動のために寄贈されるとの事。

出口で募金もしておりました。ほんの少しの志を入れに行った娘が「お母さん、一万円札も入っていたよ。すごいねー。」とびっくりして帰ってきました。
コンサート関係者ばかりでなく、会場に足を運んだみなさんも本当に暖かいんですね。

副住職が『いい機会をいただき、いい経験をさせていただいた。」と言っておりましたが、そんな素晴らしい輪の中に参加させていただいたことに感謝です。

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