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というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

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映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』

2009-11-20 09:42:00 | その他
明日から公開の映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』
の試写会にお呼ばれしていたので、簡単にレビュー。
労基法無視、低賃金低待遇の“ブラック会社”に勤めることになった若者の奮闘記
である。

卒業してからこのかた、職歴のない主人公に二つ返事で内定をくれたのは、従業員
数名の小さなIT企業だった。その数人の同僚というのがまたくせ者ぞろいだ。
怒鳴るしか芸のないリーダー、腰巾着、有能だがどこか陰のある男…。

もとは「電車男」同様、ネット発のストーリーらしいが、エンタメとしてソツなく
まとまっている。個人的にはリーダー役の品川祐が存在感を出していたと思う。
(あれは演技ではなく地だろうが)
いるよなあ、ああいうの、どの職場にも(笑)

ところで、そういう連中をなんとかまとめていくプロセスを見ていて気づいたのだが、
こういう展開は実は東西問わず映画の王道なのではないか。
古くは『特攻大作戦』、『地獄の7人』なんかがそうで、はぐれものを集めて、
でもはぐれものだけにすんなり行くわけなくて、それでも一致団結してプロジェクト
を進めていくという流れが共通している。
プロジェクトの舞台がアメリカの場合は戦争で、日本だと残業というわけだ。

「なんでそんなに残業するんだ、きついなら転職すればいいだろう」
と健全な人権意識と労働市場を持つ自由主義国の人間なら思う
だろうが、労働市場が硬直し、市場というより身分制に近い日本
ではそうはいかない。

身分制だから、一度落ちてしまった人間は、努力してもなかなか挽回できない。
他に行く場所があったとしても、やはり同じ身分の同じ待遇である。

僕がこの映画で感心したのは、ちゃんと、その「どこにも逃げ場所が無い感」
を描いていること。主人公は元ひきこもりで、ここ以外に採ってもらえないと
分かっているし、リーダーでさえ、「IT業界というのはゼネコンみたいなピラミッド
社会で、うちみたいな零細下請けは汚れ役」だという事実を理解している。

生死を賭けたシチュエーションが労働の現場で成立してしまう国と、
とりあえずドンパチが舞台になってしまう国と、どちらが良いのかはわからないけど、
とりあえず身分制が無くてドンパチも少ない国の方が幸せなのは間違いない。



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42 コメント

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我々は経済戦争を戦うソルジャー (yasu)
2009-11-20 10:20:23
>プロジェクトの舞台がアメリカの場合は戦争で、日本だと残業というわけだ。

スタンリー・キューブリックの「フルメタルジャケット」を見たときのことを思い出しました。
映画の前半は米国内での新兵訓練所での日々が描かれていましたが、ここの様子が日本の学校とそっくりで慄然としたことを覚えています。
同じ制服、髪型、集団行動の強制、連帯責任、落ちこぼれに対するいじめ、そして自殺・・・。

この映画を見て、「ああ、俺たちは兵士なんだ。経済戦争という戦争を戦い抜くために訓練された兵隊なんだ。過労死をいう戦死も恐れぬようきっちり洗脳されて、企業という戦場に送り出されていくんだなあ。」と陰鬱な気持ちになったことを覚えています。

戦時経済体制である1940年体制は教育の段階からきっちり始まっていて、我々は見事にサラリーマンというソルジャーに仕立て上げられていくわけです。
疑問を感じることも、反抗することもなく、黙々とお国のため、会社のために命をささげる働き蜂のように。

話題になってますよね~ (松本孝行)
2009-11-20 10:44:12
 これ、思った以上に話題になっていますね~。品川さんは「人に嫌われる才能」に満ち溢れていると言われていますから、上司役にはピッタリです(笑)

 ブラック会社という言葉が一般化しているということは年代が上の方々にはよくわからないみたいですが、私が就職活動をしていた時期にはすでにブラック企業ランキングなんてものもありました。

 就活を経験している人たちからすれば当たり前のことでも世間一般に知られていないことがたくさんあるみたいなので、こういう部分はもっと世間に知られるようになってほしいですね~。
Unknown (のびたろう)
2009-11-20 11:32:52
まさか日本は国自体がブラックなんですかね?('A`)
Unknown (まとそむ)
2009-11-20 11:52:18
前に国債残高のGDP比が終戦直前期に並んだって記事が前あったけど、
そこで日本は景気を相手に戦争を始めたかのようだと書いてあったのを思い出した。
国も企業も従業員もいまだ戦争してるんですね。
日本は戦後じゃなくて戦中なんですね。
自殺者が年3万人なので、内戦状態のようなものらしいです。 (しみず)
2009-11-20 13:11:53
>はぐれものを集めて、
でもはぐれものだけにすんなり行くわけなくて、それでも一致団結してプロジェクト
を進めていくという流れが共通している。

……たとえば、『七人のおたく』(1992年)とかですね。

まぁ、
映画の場合に救いがあるのは、必ず終わりがあるというところです。たとえ決死のプロジェクトでも、途中で何人か死んでも、たいてい短い期間で終わります。

しかし、実際の残業や戦争の場合は、なかなか、そういう意味での終わりはないと思います。
戦争だって、長引けば長引くほど、泥沼ですからね。
日本の学校は軍隊的 (bobby)
2009-11-20 16:54:09
国際学校へ子供を通わせていて、日本人学校の運動会とかを見ると、日本の学校教育ってどうしてああも軍隊みたいなんだろうといつも感じています。

一指乱れぬ入場行進やマスゲームなど、軍隊以外であんな事をしているのは日本の学校だけじゃないでしょうか。
こんなのブラックじゃない (IT土方)
2009-11-20 17:13:05
原作をネットで話題になった時に読みましたけど、あのくらいじゃあブラック企業には入りませんね。

他の国ではともかく、日本では。

まあラブコメが実際の恋愛をリアルに描かないことでエンターテイメント作品になるように、「ブラック会社に~」も実際のブラック企業をリアルに描かないことでエンターテイメント作品たりえてるんでしょう。
湯浅さんとの対談見ました (若者)
2009-11-20 18:55:38
 この記事とは関係ありませんが、東洋経済の対談を見て思ったことを書かせてもらいます。
 率直に言えば、お二方の対立点は、そこまで重大ではない、というような印象を受けました。というのはどの道労働者を不当な境遇から守るための規制は必要でありますし、仮に正社員の解雇をしやすくしても「第二のセーフティネット」が整備されていれば失業しても大丈夫ということになりますし、ということです。
 それでも、「流動化が先だ」というのは譲れない点であるとも思いました。かえってそちらのほうが「現実的」であるような気がするからです。そもそも日本が、少しづつ改善を積み重ねて最適な制度を作れるのかというと悲観的にならざるをえない。
 それにしても、財政の問題というのは以外に危機意識を持っている方が少ないようです。僕自身は、「今までの日本では10年、20年と社会で経験をつんでから道を決められたが、現在ではそうした余裕があるか疑わしい」という認識をしています。
 とはいえ、城さんや湯浅さんのように、どのように社会にかかわるかというのはやっぱり実際に社会に出てから決めるしかないという気もしますが。まあ、なんだかんだ言って東大法学部には魔力があるような気がしてきますね(僕は文二を目指していますが)。
今はまだマシ (ドン)
2009-11-20 19:08:19
インターネットでかなり情報が出回っていて入る前にブラック企業は回避できますから。

情報をせいするものがこの経済戦争も制するのです。日本の場合労働基準法なんてあってないようなもんですし
日本と北朝鮮だけ (ほなるど)
2009-11-20 19:54:13
>、軍隊以外であんな事をしているのは日本の学校だけじゃないでしょうか。

日本では、創価学会もです。あれは本当に狂った
カルトですから。

あとは言うまでもなく北朝鮮。

共通点は、無理やり上のやり方を押し付けるための
儀式であるということです。

創価学会=女性専用車両という男性差別を促進させ
、国の解体をもくろむ団体。ある意味、日本企業が
若年男性にデートする時間を奪って少子化を進める
のと同じですな。

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