Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

官僚は流動化できるか

2010-02-08 14:28:46 | その他
民主党の霞が関改革プランが徐々に明らかになっている。
要するに、従来は天下りによって放出していた中高年官僚を、降格人事によって定年まで面倒
みますよということだ。
組織内に一定の流動性を実現するので、方向性としては間違ってはいない。
ただ、現時点で感じている疑問もいくつかある。

1.人事制度自体の改革が見えてこない。
天下り禁止をにらんだ布石だろうが、どんな組織にも成果の目に見えやすいポストとそうでない
ポストがあるため、すべてのポストを流動化なんて非現実的だ。
そもそも「ポストで報いる」という発想に無理があるわけで、ポストにかかわらずボーナスや
年俸で報いるシステムにシフトする必要がある。要するに、序列と報酬の切り離しだ。
だが現政権がそこまで考えているようには見えない。

2.改革の目的は?
仕分け会議を見ていて感じたことだが、今回の改革にも、「官僚に対する支配権の確立」という
気負いが混じっているのかもしれない。
ずっと政治主導を掲げて政権とったわけだし、「頭は我々、官僚はただ手足となって動けばいい」
という考えもわからないではない。
でも、これをやるということは、霞が関のシンクタンク機能を全否定し、政党が担うことになる。
民主党にそんな能力があるのかというと、ちょっと微妙な気が…。

人事制度というのは、求めるものがイノベーションであれ滅私奉公であれ、そのためのモチベーション
を引き出すシステムだ。現在の天下りシステムは、滅私奉公させるという点で申し分ないが、
「それだけでは行政が上手く回らない」&「改革の足を引っ張る」という弊害が出てきたために
見直しが必要となったにすぎない。

逆に言うと、バーターでそういった中期ビジョンを示さないかぎり、骨抜きにされてポイされる
に決まっている。
民主には官僚OBが多いのだから、彼らにたたき台を作らせることで、より実のある改革プラン
になるのではないか。