城台山日記

 城台山の麓で生まれ、毎日この山に登り、野菜・花づくり、読書、山登りをこよなく愛する年寄りの感動と失敗の生活日記です。

電車・バス 今昔物語 19.2.20

2019-02-20 19:38:31 | 地域のこと他
 今揖斐川町では、現在のコミュニティバスを廃止し、デマンドバスに変えることが計画されている。その議論に触れる前に、少し揖斐川町に関係のある電車・バスに触れてみたい。かつて、我が町には岐阜方面に向かう名鉄揖斐線と大垣方面に向かう近鉄揖斐線があった。さらには、町の中は名阪近鉄のバスが走っていた。
 名鉄揖斐線は、岐阜市等に通う通勤者そして本巣高校や岐阜高校・岐阜北高校・岐阜商業等に通う高校生が利用していた。今から考えると超時代物の電車だった。幼き頃、本揖斐駅の隣駅清水(きよみず)で手動の扉の開け方がわからず、危うく乗り過ごしそうになった。マイカーの普及により、利用客が減り、まず谷汲線(黒野~谷汲)と黒野~本揖斐の間が廃止になり、その後忠節~黒野も2005年に廃止となり、1914年開業以来の長い歴史の幕を閉じた。
https://www.youtube.com/watch?v=BFRWxtMY-tM
 これを見ると本当に懐かしい

 一方の近鉄揖斐線であるが、現在もいろいろ経営形態等は変わっているものの運行中である。私はこの電車を利用し、大垣市内の高校に通った。当時、利用者は多く、始発の揖斐駅であっても遅く来ると座れない状況であった。首尾良く座ることができると、きまって豆単(英語単語帳)を開き、何度も学習するまじめな高校生であった。今では年に数回しか乗る機会がないが、高校生が急激に減り、さらには通勤客も減り、容易に座ることが出来るようになった(今の高校生は詰まってきても、詰めようとしない。おじさんはそこに無理矢理割り込んでいく。)。
 この近鉄線も、近鉄から経営主体が養老鉄道(株)に変わり、さらに2017年には一般社団法人養老線管理機構が設立され、翌年公有(線路と車両を近鉄から引受)民営方式に移行した。要するに今や利用料金だけでは収支をまかなえず、恒常的に周辺市町村の補助金の投入が必要となっている。今後さらなる利用客の減少に伴って、維持するのも難しくなってくるかもしれない。 
 バスについては、収支だけを考えるなら電車よりも深刻である。かつて近鉄バスが坂内村・春日村・谷汲村まで走っていたが、利用客の減少に伴って、コミュニティバス(町がバス会社に運行を委託。利用料金は100円、200円、300円の3段階)。かつて坂内から揖斐駅まで乗ると1000円を超えた。それが300円で来れるようになったわけだ。町によると、現在平日123本、土日祝日90本が運行され、年間15万人が利用しているという。しかし、一台あたりに換算するとわずか3.3人となる。(揖斐高にバスで通う生徒を入れてもこれである)。私もたまに乗ると一人か二人くらいしか乗客はいない(揖斐駅に無料の駐車場を作ったので、余計に少なくなっている気がする。もちろん電車の利用客を増やすための策であるが)。このコミュティバスが大部分デマンドバスに変わる。停車場所が地区公民館毎に作られるなどサービス向上になる反面、現在土日の運行が予定されていないなど明らかにマイナスの影響も考えられる。

 現在のコミュニティバス デマンドバスはワゴンタイプの車が走ることなる

 コミュニティバス路線図

 地方では電車・バスなど公共交通機関が衰弱する一方である。これに対しその維持を訴える声はある一方で、その当人が電車等を利用しない。これでは説得力は全くない。岐阜市内を走っていたいわゆるチンチン電車も外国の会社も含めてその経営に名乗りが上げられたが、最終的に廃止された。地方都市であっても富山市のように街作りと一体となった整備により成功している例もある。ヨーロッパのように車の中心市街地への乗り入れ規制をするなどの抜本的な対策が今更ながら必要であったと思うのである。
 

コメント
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