ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

ドルは金の代わりにはならない

2008-11-02 18:00:05 | ときのまにまに
去る10月16日付のこのブログで「為替レートのことがわからない」と問題を投げかけたましたところ、早速友人の一人が、これを読めばわかると言って、一冊の本を紹介してくれました。三國陽夫著「黒字亡国――対米黒字が日本経済を殺す――」(文春新書)です。わたしの疑問に直結する題名なので、すぐにでも読みたかったのですが、暫く読まねばならない本があり、先日やっと読み始めました。
わたしにとってはまったく別世界のようで、そう簡単に理解できませんし、もちろん感想など書けませんが、ただ一点だけわかったことがあります。それだけ十分という感じです。
それは、一口で言って、マネーはゴールドではないということ、もっと生々しく言うと、ドルは金の代わりにはならないということです。そう言えば、中学の時「金本位制」とか「銀本位制」という言葉とともに、「金兌換紙幣」ということも習ったはずです。要するに、通貨は最終的には金に交換できるということによって信用されているということでした。しかし、日常生活のレベルで、紙幣を金に変えるということは金を購入するということで、一般大衆には無縁のことです。国際関係(貿易の国際収支)でドルの場合はアメリカ政府が、最終的にはドルに相当する金と交換しますという保証のもとで価値がある、と信用されてきました。
ところが、1971年ニクソンの時代に突然アメリカ政府はドルに対する金の保証をしないということになってしまいました。いわゆるニクソン・ショックです。要するに、ドルはドルで買えるものしか買えなくなってしまったということです。このことの意味は、わたしにはなかなか理解できることではありませんでしたが、この本はこのメカニズムについて克明に説明してくれます(あまりにも克明すぎて、かえって理解困難なきらいがあります)。従って、ドルで原材料を仕入れ、製品化してそれを外国にドルで売る。そのすべての決済はドルでする。従って、もうけはすべてドルである。そのドルは一応日本のものですが、その価値を決めるのはアメリカで、アメリカの都合でどうにでもなるものです。というよりも、ドル・円関係は日本経済が上がれば、つまり円高になればなるほど、ドルは安くなり、日本が抱えているドルの価値が下がるという関係になるらしい。
ドルが金によって保証されないということは、そういう関係にあるらしい。何か、「金(ゴールド)」という物質の神秘に触れたような気がします。

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