ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

「さいはての五島列島 ぐるり周遊 2日間」の第2日目

2009-11-18 16:31:54 | ときのまにまに
          青砂ヶ浦教会正面

五島列島での第2日目、今日の天候は昨日と打って変わって晴れ。6時に食堂に行くともう既に何人かの人々は食事を始めていた。今日もかなり忙しいスケジュールなりそうである。朝食はまぁまぁ。このホテルの食事は昨晩の食事もそうであったが、贅沢ではないがそこそこの質を保っている。値段から考えてまぁお値打ちというところか。
7時にはホテルの前に8人乗りのタクシーが待機していた。5分足らずで福江港に着くと、かなり混み合っていた。どこかの高校の運動部の連中が団体で賑やかにしている。活気溢れる港という風情である。フェリーは車両の乗り込みも順調に進み、定刻通り7時40分に汽笛を鳴らして出港した。福江港から中通島の奈良尾港まで約80分の船旅である。なお、この船自体は奈良尾港から約2時間かけて長崎に至る。因みに、博多港から福江港までの航路もあるが、これは博多を夜、出港し9時間かけて朝方に福江港に着岸するとのこと。夜の船旅も楽しそうである。
船は奈良尾港に予定通り9時に着き、上五島の観光が始まった。まず最初に訪れたのが奈良尾神社。この神社の鳥居が天然のアコウの巨木で、その根元を潜り抜けて宮入するという趣向である。ここで地域のご婦人方の手作りのお菓子とお茶の接待を受けた。
9時半頃奈良尾神社を出発し、小一時間海を眺めながらバスは右に左に曲がりながら北上し、青方港に至る。この港はなかなか大きい。博多から福江に向かう船もここで停泊するとのこと。町の中にも大きな病院があり大型スーパーなどもある。五島で唯一の24時間ひらいているコンビニもここにはあるとのこと。いわば上五島の中心地である。バスはここを通り抜け、小高い丘の上に上ると、そこには跡継教会(あとつぎきょうかい)があり、バスは教会横で暫く休憩した。ここからは世界初の洋上石油備蓄基地が見える。
バスは更に北上し、冷水教会(ひやみずきょうかい)の近くにある「やがための駅」に至る。名前だけ聞いていると何か鉄道の「駅」のように思われるが実は製塩工場で、その工場に隣接している土産屋が「やがための駅」と呼ばれている。この製塩工場と土産屋とを経営している方がなかなかのやり手で、上五島町議会の議長も務めているとのこと。彼は熱心なカトリックの信徒でもあり、店の中には五島全体の教会の写真や資料が置かれている。その中でも貴重なものは鉄川与助(日本における教会堂建築の草分け)が最初の手がけたといわれている旧冷水教会のステンドグラスが保存されている。<鉄川与助についてはホームページ「おじいちゃんが建てた教会」( http://www1.odn.ne.jp/tetukawa/ )で詳しく紹介されている。鉄川はこの地域の出身で生涯仏教徒であることを貫いた、と言われている。

        
        青砂ヶ浦教会内部

ショッピングを終えて、バスは奈摩湾をはさんで対岸にある青砂ヶ浦教会を訪れた。この教会は奈摩湾を見下ろす丘の上にそびえる赤煉瓦造りの立派な聖堂である。現在の建物は明治43年(1910)に完成した。当時の神父が外国からわざわざ原書を取り寄せて設計施工をしたとされ、様式やデザインが非常に伝統的である。カラフルなステンドグラスやバラ窓も幻想的で美しい。平成13年11月に国の重要文化財に指定された。

        
        床に映るステンドグラス

午前の観光はここまでで、昼食は有川港近くにある料亭「扇寿」の座敷で正式な五島うどんをいただいた。大満足であった。
昼食後は、今回の旅の目玉の一つ、頭ヶ島教会(かしらがしまきょうかい)の訪問であった。この教会は西日本唯一の石造りの教会である。この教会が石造りである理由は経費の問題で決して奇を衒ったものではない。できるだけお金をかけないで礼拝堂を建てようという強い意志により、島内にある石を信徒たちが一つ一つ運び込み、それを積み上げて建てられた。そのため明治43年(1910)に着工し、完成まで10年かかったという。そのために信徒たちの労働奉仕や資金集めは大変なもので、この礼拝堂建築のために財産を使い果たし、完成後に島を去った信徒もいたと言われている。

        
        頭ヶ島教会の内部

        
        頭ヶ島教会の祭壇

外観はこぢんまりしているが重厚で、堂内はあちらこちらに花柄の装飾ほどこされ、優しさが漂っている。礼拝堂の前の海岸にはキリスト教の墓地がある。平成13年11月、青砂ヶ島教会と共に国の重要文化財に指定された。

        
        頭ヶ島教会の外観

午後2時過ぎ、頭ヶ島教会を出発して一路奈良尾港に向かって走り、船で再び福江港に戻り、福江港から五島バスで最後の観光地、鐙瀬溶岩海岸(あぶんぜようがんかいかん)を見物し、薄暗い夕闇の迫る中その溶岩が流れ出た鬼岳に登り、福江空港に戻ったのは午後6時をちょっと過ぎた頃であった。
午後7時発の福岡行きANA4920で、福岡に着いたのは午後7時35分、地下鉄で博多駅へ、新装なった博多駅デイトスで夕食用の弁当を買ったが、ラッキーなことに7時半過ぎということで50パーセント引き、二人分で450円、自宅に着いたのは9時近くであった。
感想:パック旅行も棄てたものではない。




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