シャンチー(中国象棋)の日々~三千年の歴史、5億人の競技人口

「世界で最も競技人口の多いスポーツ」シャンチー(中国象棋)に関するニュースを日本シャンチー協会がお届けします。

「シャンチー」はこの競技の正式呼称・表記です

2007-07-21 | シャンチーあれこれ
日本シャンチー協会では1991年に、この競技の日本における呼称・表記を「シャンチー」とすることを定めました。

実はそれまでは正式の呼称・表記が決まっていなかったのです。表記については、主なものだけでも「シャンチー」、「象棋」、「中国象棋」、「中国将棋」の4通り、呼び方については「シャンチー」、「ちゅうごくしょうぎ」、「ちゅうごくのしょうぎ」、「ぞうぎ」、ただ「しょうぎ」と、みんな勝手な呼び方をしていました。

あるスポーツ競技をその社会に定着させるためには、その競技をなんと呼ぶか、どうのように書き表すかという問題はとても大切です。日本社会にその競技を定着させたいと願えば、その競技を日本語でどのように呼び、どのように書き表すかということを決めなければなりません。そして、それはその競技の統括団体が責任をもって行うことです。

たとえば「ボウリング」という競技の呼称・表記を、「ボーリング」ではなく「ボウリング」と定めているのは統括競技団体である全日本ボウリング協会です。「チェス」という競技の呼称・表記を「西洋将棋」ではなく「チェス」と定めているのも統括競技団体である日本チェス協会です。つまりその競技の呼称・表記はその競技に携わる統括団体が自主的に決める権限をもっており、スポーツの世界ではそれをみんなで尊重するのがルールになっているのです。

シャンチー発祥の地・中国ではこの競技を「象棋」と表記します。そしてその発音をカナで表すと「シアンチィ」に近いものになります。しかし、私たちは日本でこの競技を普及・定着させるためには、日本人だれにもにとっても分かりやすいものにする必要があると考えました。そこで中国での名称「象棋」の発音に比較的近く、日本人にも発音しやすい「シャンチー」という呼称・表記を選んだのです。少なくとも「象棋」と書いて、なんと読むのか分からないという事態は避けなければいけないと考えたのです。そして団体の名称も思い切って、それまでの「日中象棋協会」から「日本シャンチー協会」に変更したのです。

はじめのうちは混乱もありました。電話で「日本シャンチー協会です」と言っても必ず「えっ?」と聞き返されました。そのたびに「シャンチーは中国の将棋です」、「シャンチーはカタカナで、シャンプーのシャンに、チーズのチーです」と説明しました。内部でも「シャンチー」ではなく「チャンシー」と言ってしまう人もいました。しかし私たちは粘り強く「シャンチー」という呼称と表記を使い続けました。マスメディア関係の皆さんにも「シャンチーという正しい名称を使ってください」とお願いしました。最近ようやく「シャンチー」という呼称・表記が日本社会に定着してきたように感じています。チェス、囲碁、将棋界の方々も私たちの考えに理解を示してくださり、関連の雑誌等でも「シャンチー」と表記されるようになってきました。関係者の皆さんのご理解に心より感謝申し上げます。

先日も、今年10月にマカオで開催される「アジアインドアゲームズ」代表団派遣の打ち合わせで、JOC(日本オリンピック委員会)の役員とお話ししたときに、当初は「チャイニーズチェス」という呼び方をされていましたが、私たちが「正式呼称はシャンチーです」と説明すると、すぐに了解して以後は「シャンチー」という名前を使っていただけるようになりました。さすがは日本のスポーツ界を統括する団体です。「その競技に関するルールは統括競技団体自身が決める」という原則を貫いて、すぐに競技団体が定めた呼び方を使ってくださった姿勢に敬服しました。

ただし、まだ「シャンチー」と聞いただけで「ああ、あの競技か」と分かる人は数多くありません。それで私たちは、当分の間、対外的な文書でこの競技の名称を表記するときには、初出に限って「シャンチー(中国象棋)」としています。このブログの表題を「シャンチー(中国象棋)の日々」としているのはそのためです。

もしこの競技に携わる人で、中国では「象棋」と表記しているからといって、日本における正式の呼称・表記である「シャンチー」を使用せず、ことさらに「象棋」と表記することを主張するなら、それは日本社会にこの競技をその名称とともに定着させるために、統括競技団体が1991年以来16年間にわたって続けてきた努力と、そうした競技団体の考え方を尊重して「シャンチー」という表記を用いてくださった関係者の善意を土足で踏みにじるものと言わなければなりません。

どうか関係者の皆様が、この競技の日本における正式呼称・表記である「シャンチー」という名前をこれからも大切にし、育ててくださるようお願いいたします。
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