詩編87編の中には、ご自分の民について「各々だれもがその中(シオン)で生まれた」と、是認し、至高者エホバ神が堅く立てられることが記されていました(詩編87:5)。神エホバはご自分の忠節な民に忠節を持って顧みてくださるのです(サムエル第二22:26)。今日から2回に分けて紹介する詩編88編には、コラの子たちの死を免れることを祈る言葉が記されています。今日紹介する詩編88編1節~9節の中には、コラの子たちが神エホバに恵みを求めて一日じゅう祈り求めたのと同じように(詩編86:3)。再び一日じゅうエホバに向かってたなごころを伸べ、神エホバへの堅い信仰に立っていることを表明しています(詩編88:9)。人間に見放されることがあっても、救いの神エホバに、率直に一日じゅう助けを祈り求めるなら、神エホバはご自分の民に忠節をもって行動してくださるのです(詩編88:1,8)。コラの子たちは、コラの罪には関わりなく、その忠節に神エホバから救いをもたらされました。
今日紹介する詩編88編1節~9節には次のように記されています。皆様方はみ言葉の中からどのような宝を見いだされるでしょうか。
歌。コラの子たちの調べ。応答のための
マハラトの指揮者へ。エズラㇵ人へマンのマスキル。
「エホバよ、わたしの救いの神よ、
昼間わたしは叫びました。
夜もまた、あなたのみ前で。
2 わたしの祈りはあなたのみ前に届きます。
わたしの嘆願の叫びに耳を
傾けてください。5
3 わたしの魂はじゅうぶん災いに遭い、
わたしの命はシエオルと接するまでに
なったからです。
4 わたしは坑に下る者たちの中に
数えられました。
わたしは力のない強健な者のようになり、
5 埋葬所に横たわる打ち殺された者のように、
死者の中に放たれました。
あなたはそれらの者をもはや思い出さず、
彼らはあなたの援助のみ手から
断たれてしまいました。
6 あなたはもっとも深い坑に、
暗い所、大いなる底知れぬ深みに
わたしを置かれました。
7 あなたの激しい怒りがわたしにのしかかり、
あなたはそのすべての砕け波をもって
わたしを苦しめられました。
8 あなたはわたしの知人たちを
わたしから遠く離し、
彼らにとってわたしを甚だ忌むべき
ものとされました。
わたしは拘束の身であり、
出て行くことができません。
9 わたしの目はわたしの苦悩のために
弱り果てました。
エホバよ、わたしはあなたを一日じゅう
呼び求め、
あなたに向かってたなごころを
伸べました」(詩編88:1~9)。
詩編88編の表題に「エズラハ人へマン」と記されていますが、へマンは偉大な知恵を持っていましたが、ソロモン王には及ばなかった4人の賢者のうちの一人です。へマン、カルコル、ダルダは「マホルの子」と呼ばれていますが、この表現は踊り手や楽士の団体を指していると考える人もいます(列王第一4:31)。へマンはダビデとソロモンの治世中、歌うたいでありシンバル奏者であったレビ人です(歴代第一6:33;15:17~19、歴代第二5:11,12)。
神エホバに罪を犯したコラは当然裁きを受けますが、コラの子たちは、上の聖句に示されている通り、死を免れることを切に願う祈りの言葉を記しています。その苦悩は「シエオル(人類共通の墓の意味)に接するまでになった」とも記しています(詩編88:3,9)。しかし、苦難のために弱り果てても、「エホバよ、わたしはあなたを一日じゅう呼び求め、あなたに向かってたなごころを伸べました」と、忠節を守り、堅い信仰に立っていることを示しています(詩編88:9)。「コラの子たちは死ななかった」と記されていて、命が救われたことが分かります(民数記26:9~11)。コラの子たちは後にレビ人の奉仕において目立つ存在となり、祝福を得ました。神エホバへの信仰を堅く保ちたいものです。今日も、最終的に神エホバのご意志を行なう者たちは神の王国に招き入れられます(マタイ7:21)。
枯草を 刈りこむ農夫 夕暮れる 今日の一句
庭に咲く「ボケの花」