ニューヨーク1997
1981
John Carpenter(ジョン・カーペンター)
ゾンビ映画の監督がSF作品をやるとこうなるのか、という作品。
基本的にホラー映画の監督だと思っているのでディテールが笑いになってしまうのは申し訳ないところ。
80年代初頭のポストモダン全開っぷりは今観ると完全に一つの世界を創っていますね。
言い訳無用の世界観。
変なハイテク感と退廃がミックスされた未来像は、多分、後にも先にもあの世界観はあの時代にしか存在しないのでは。
本作での見所は、なんと言っても「アメリカ大統領が情けない」というところでしょうか。
もはやタブーと言っても良い大統領いじり。
プライドを傷つけられた大統領が敵をマシンガンで敵を撃ち殺す姿を観られるのは多分本作だけでしょう。
これは愉快。
マンハッタン島が全て刑務所になっているという無茶苦茶な設定、しかもそこにテロリストに乗っ取られたエアフォースワンが墜落。
さらに大統領を助けに行くのは元エリート兵士でワルの世界でも超有名人のスネーク。
プロットを聞いただけでラストシーンが容易に想像できそうなお話ですが、そこは80年代の無茶が無茶を呼ぶ映画。下手な伏線はありません。
一見の価値はアリです。
ジョン・カーペンター監督作品では恐らく最高傑作でしょう。
それも上映してるカフェでずっとフィルムの架け替えしながら。
「物体X」並みに他にはない味わいがあって何とも言えず好きだな。
悪役のアイザックヘイズのハマり方っていったらないしさ。
監督自身が作曲して演奏してるチープなシンセのテーマ曲もクセになる。
また見たいな。
っつうか、80年代のサントラのチープさは前部クセになります。
アイザック・ヘイズ、何年か前に、もしかしたら今もやってるかもしれないけど、LAで朝イチのラジオDJやってたらしいっすよ。
朝イチでアイザックも悪くない。