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映画【Helpless】

2007-10-18 23:32:02 | 映画


Helpless
1996
青山真治


新作「サッド・ヴァケイション」の為の予習です。

本作ですが、青山真治監督の劇場用長編映画一作目。
正直、分かりづらい。
先日見た「ユリイカ」の整理のされっぷりとは全く違います。

淡々とした映像で描くエッジの効いた若者像。
カットも少なく、自主制作の様な、ただ「撮りたい映像」を並べただけで何となくストーリーが出来上がってしまった様な作品。
特殊なキャラクターを登場人物全員に持たせてしまったためにコアがどこにあるのかもよく分かりませんでした。
しかし、トーンとして全編が整っていて、不思議と観られてしまう。
その先に「ユリイカ」があったとしてもなんか納得してしまう。
本作のたった4年後に「ユリイカ」にまでいってしまった青山真治監督、恐るべしです。
「サッド・ヴァケイション」はどこまで進化したのか。
楽しみです。

ところで、本作で浅野忠信が着ているのがNirvanaの"Nevermind"Tシャツ(曲名がバックプリントのヤツ)。
このジャケットの赤ちゃんは今どうしているんでしょうか。




本編と全く関係のない余談です。
随分前に観たのでもう一度見返そうと近所のビデオ屋へ行くも見あたらず。
「青山真治のヘルプレスありますか?」と聞くと「アオ・・・アオヤマ・・・ヘルプ・・・?」と。
「ヘルプレスという邦画です」と補足し、サクッと検索されてあっさり「ありません」という返事。
と言うか、何故ビデオ屋でバイトしている兄ちゃんが「青山真治」の「ヘルプレス」を知らないのかね。
大して時給が良くもないレンタルビデオ屋でバイトする意味は何かね。
むしろゲーム屋の側面を重視かね。
君はゲームで人生を変えられたのかね。そうか、それなら構わない。
そのビデオ屋はゲーム屋でもあります。

嘆かわしきは彼らの常識の低さでもあり、以前同じお店で領収書に「マエカブXXXでお願いします」と言えば(株)ではなくカタカナで「マエカブXXX」と宛名を記入して頂けました。
面白かったのでそのまま頂こうとすると何故か店舗印が無かったので「店舗印ありませんよ?」と言えば不思議な顔でこちらを見る。「お店のハンコのことです」と言えば「そう言えよ」と言わんとするふてくされ顔。
私もすっかりオッサンです。

で、結局本作は友人のS氏に借りることができました。
ありがとう。
「サッド・ヴァケイション」行ってきます。