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映画【いぬのえいが】

2006-06-06 02:59:04 | 映画
いぬのえいが
2004
犬童一心
黒田秀樹
黒田昌郎
佐藤信介
永井聡
祢津哲久
真田敦


オムニバスです。多分、体裁はそんな感じの構成になっています。
大分前にDVD化されたのですが、随分見ていませんでした。犬童監督が入っているので、いずれ観ようとは思っていたのですが。
前半では"あ、これは犬好きの為になんとくなく作ったマーケティング映画なんだな"と思っていたところ、最終話で号泣。

この最終話で、全てを語っています。と、思います。
ここから全て真田敦監督の最終話についてのお話です。
この映画を観た方で"あんなもん、バカじゃねぇの?"と言う方がいたら、かわいそうと思うよりも、自分がこういう気持ちを持っていることに感謝してしまう。

そして、ここからは私の"犬想い出"です。どうでも良いお話です。
ガキのころの想いというか、こうであったら良かったなという妄想がばんばん。


私のうちでもガキの頃犬を飼っていました。ちなみに、今でも実家では私が上京した直後から柴犬を飼っています。

うちで犬を飼っていたのは私が物心付く前から。
その犬に私が膝を噛まれ保健所が来て、狂犬病だと言うことが判明し引き取られていきました。
しかし懲りずに姉と共に"犬を飼いたい"とオヤジに無理矢理頼んでその1年後くらいにどこかのペットショップに行き私に一番なついてきたヤツ(今度はちゃんとした血統書付きのシェットランドシープドッグ)を引き取り、連れて帰りました。確か、そのまま連れて帰りたいとだだをこねて連れて帰った気がします。
名前は"ジョリー"にしました。当時アニメでやっていた"名犬ジョリー"から頂きました。

しかし、ジョリーは名犬どころかバカ丸出しでした。
シェットランドは普通耳が途中で折れ曲がっているのに何故か直立している。雄なのにいつまでたっても片足を上げてのおしっこができず、いつも中腰で雌のようにおしっこをする。車が横を通りすぎるたびに追いかけようとする(何度もはねられかけた)。無理矢理滑り台を滑らせたら腰を抜かして抱えて家まで抱えて帰る。変な草を食べて腹をこわして一週間入院する。"お手"と"おかわり"はできるが"伏せ"ができない。風呂が大嫌いで洗ってあげる度に大暴れで私までびしょ濡れ。偏食で半生タイプのドッグフードしか食べない(乾燥タイプと混ぜても丁寧に乾燥タイプは残す)猫になめられる。うんこを食べる。車に乗ると酔って吐く、そして吐いたものを食べる。階段が下りられない。おなかがすいたとき以外吠えない。
でも、毛並みは凄く綺麗。優しい目をしていた。

私が飼って貰いたくて無理矢理飼って貰ったジョリーの散歩も私は1日に一度くらいしか行っていませんでした。
でも、私が学校から帰ってくると、柵に手をかけて大喜びでしっぽを振って迎えてくれました。
それから10年。
高校2年生の雨ばかりが続く秋、ジョリーが調子がずっと良くない。獣医見せるとフィラリアにかかり余命は3ヶ月も無いと告げられました。
それからジョリーは熱が常に出ているらしく、雨の中小屋にも入らずずっと冷たい雨に身をさらしていました。どうにかしてさまそうとしていたのかも知れません。
また雨の続く日が続き、ジョリーは全く小屋に入らず、庭のなるべく隅っこに伏せたままでした。あのとき、母は"死ぬ時を見られたくないんだね"と。
ある日曜日"今日ジョリーは死ぬんだな"と朝起きて何となく分かった日。私は昼からパチンコに行っていました。なるべくジョリーをみていたくないから。その日、今までで一番の大勝ちでした。山積みのドル箱。それで分かりました。うちに帰ったらジョリーはもう死んでる。
玄関で母が泣いています。
変な体勢で横になっているジョリーがいます。
玄関を出て原チャリで近所の浜までなんだか分からない歌を叫びながら。
その私が叫んで向かった砂浜はこの映画のラストシーンのロケ地でした。


やっぱり、また犬が飼いたいです。