老人の戯言

当年85歳になります。戦前戦後の経験語り部も居なくなります。貴重な経験を構成に残して今後の日本の発展を期待したい。

神戸製鋼の罪は重い

2017-10-19 09:29:47 | 日記
 神戸製鋼所の全事業所のアルミ合金材料の強度に不正表示が、数年にわたり行われていたと報じられている。この影響について述べたい。
①戦後日本の成長の柱であった鉄鋼やアルミの生産はエネルギーコストの上昇や人件費の高騰により、その座を中国、ブラジル等に明け渡している
 現在アルミの地金生産は日本では皆無である。。
②日本の重工業の70%は今後日本から消え、ソフト産業や他国では作れない計量で高強度あるいは耐熱性のすぐれた分野に活路を見出して、生き延びざるを得ない立場におかれているのである。
③その矢先に世界中の航空機や高速車両の部材の最重要部品や車体にアルミ合金の計量と高強度が期待されていた、部材の欠陥表示がなされたのである。
④これは神戸製鋼のみでなく、日本中の同業他社への影響も大きく日本製品の高い信用と期待を裏切ってしまった。
⑤神戸製鋼の不正は市場の相反する高強度と軽量化の相矛盾する、要望に技術的に追いつかなくなり、ついに不正表示をして、全世界に数年にわたり出荷されたものと思う。
⑥これらの材料は英国の新幹線を始め多くの航空機や車両に全部使われているはずである。とても回収などのできる範囲のものではない。
⑦日立製作所の社長が同社の製品には、社内受け入れ検査をしているから、問題ないとしているが、とんでも無いことである。受け入れ検査は外観と一部のサンプルチェックに限られている。設計は充分な安全率を掛けてしているが、問題は今後の経年劣化や緊急時のショックを受けたときに果たして大丈夫とは言い切れまい。
⑧完成品の車両耐用年数は数十年に及ぶ物が多い。
⑨私は現役時代技術者は嘘を言ってはならないと言い続けてきた。経営者の無法な要求を退けて来た自負がある。
⑩最近は正規雇用者のモラルも低下し、先輩が苦労して作成したマニュアルのよって来る背景も知らずに、唯々諾々と従っているあけで、嘆かわしい。

今回の事件は経営者の責任は勿論であるが、日本の技術レベルの信用を回復するために、経団連や政府も世界に向けて再発防止策を訴え実績で回復する
以外に道はない。JUNTARO