眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

終盤の発想と価値観 ~なぜを言語化していく作業

2022-01-11 05:21:00 | 将棋ウォーズ自戦記
「切るだけがさばきじゃない」

 なぜそれはいい手なのか?(悪手なのか)なぜこう指すのか? 人間は、わかっていても同じ失敗を繰り返す。わかっていなければ永遠に繰り返すことだろう。研究というのは、いい手をたくさん知ることも大切だが、それと同じくらいに「なぜ」を探究していくことも重要だ。手を知っているだけでは、真に知っているとは言えない。深く理解するほど、本当の力になるだろう。

~取らせるというさばき(取り合う/自分の手を指す)

「急所の馬を取った竜はぼける」

 大事な駒がプレスを受けた時、あなたはどう考えるだろうか? どう守ろうか。切ってしまおうか。しかし、それだけでは好手を逃してしまうかもしれない。そこには「取らせる」(手抜く/動かさない)というもう一つの着想が欠けている。

(終盤は駒の損得より速度)

 終盤へと加速していくほど、「手抜く」という判断は重要になっていく。例えば、居飛車の86歩の突き捨てがそうだ。仕掛けの最初に突けばほぼ取る一手だが、既に他に争点ができた後ではその厳しさによって「手抜く」という判断が可能になっていく。
 歩が竜と馬になったとしても理屈は同じだ。例えば、振り飛車の馬が66の地点にいて、居飛車の竜が69の地点からそれをプレスしているような局面だ。66の馬は攻防の急所を占めている。普通なら(序盤なら)当然のように守る一手。しかし、終盤では話が変わる。もしも、自分にも敵陣を向いて攻めていく有力手があるとしたら……。
 66にいる馬は急所だが、それを取った竜は働きが弱い。(馬は中央で働くが、竜は敵陣にいなければ脅威が半減することが多い)馬を取らせる一手。竜を遊ばせる一手。そこには2手分の価値があると言える。その間に厳しく敵陣に迫っていくことができれば、終盤(寄せ合い)を優位な展開に持ち込めるはずだ。

「どいてください」という働きかけに対し、「取ってください」という主張があり得るのが、終盤の面白いところではないだろうか。

~むしろ紐がついてない方がいい

 将棋を覚える時に、駒の取り方はたくさん教えてくれるけれど、取らせ方についてはそうでもないのではないか。(さばきの観点では重要な技術であるのに)

「取らせる」(取り返さない)前提となった時に、紐はついてない方がよい場合がある。完全にただ=駒損。序盤の感覚では大損だ。だが、終盤の感覚では事情も変わる。紐がついているということは、当たりが強くなっているということでもある。忙しい攻め合いの中では、「同金」のように取り返す一手が惜しいのだ。

「どう取らせるか?」
 そのように考え、相手の駒を何もない空き地へと導く。取らせることによって、取った駒を「遊ばせる、重くする、空振りさせる」。そうした感覚を身につければ、さばきのレベルは数段アップするに違いない。


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寄せ合いのデュエル ~寄る形を残し続けること

2022-01-09 01:14:00 | 将棋ウォーズ自戦記
 寄せにいくと駒を渡して負けてしまう。単に受けに回ると相手にも手を入れられて、後手を引く形は体力負けしてしまう。

「攻めか、受けか」

 一方的な選択では、勝ち筋のない終盤戦がある。
~攻めるは守るなり(利かしによって話を変える)

 難解な終盤戦では、「攻めたり受けたり」「決めるだけ決めて手を戻す」というような、攻防に手順を尽くした組み立てが必要となる。
 王手王手と利かし一枚入れば詰む形にする、次に詰めろのかかる形にする、数的優位を築く。(振り解けない形、玉のみえる形を築いておく)そうしておいてから手を戻す。

 相手の攻めによって持ち駒が増えた時に、その価値が最大化するのは玉が寄る形(詰む形/詰めろのかかる形)。
 固められる先に崩しておく。歩で局面を変える。

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ハード・ワーク時代

2022-01-07 21:50:00 | ナノノベル
「どつかれさまです」
 一昔前は(おつかれさま)だったが、今ではそんな生やさしいものではなくなった。そこで極度の疲れを労う気持ちから進化形として「どつかれさま」が広く使われるようになった。新しい言葉は次々と生み出されていくものの、世間は相変わらず人手不足が続き、一人一人が酷く疲れている。それが一人三職の時代と言えた。

「はい。しばらくボール遊びをしていてね」
 元気の有り余った園児に遊び道具を与え、その隙にモニターに向かう。
「4人同時に行います」
 遠隔操作で簡単なオペをさばく。結果はスピードにかかっている。5分ほどで無事にすべてのオペを終える。すぐさま画面を切り替えると私はざっと罪状に目を通す。「どうですか。皆さん、まとめます」
「懲役140年に処する!」

「先生! 一緒にあそぼーよ!」
 エプロンを引っ張られて足下の世界に帰ってきた。
「はい、はい。もう判決出たから大丈夫だよ」
「先生、かくれんぼしよー!」
「ああ、いいよ。かくれんぼしよーね」
(遊べる間にたくさんたくさん遊んでおくんだよ)
 大人は遊ぶ余裕もない。
 明日は臨時国会。
 思い切り野次でも飛ばそうかな。

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両取り=見せ場 ふんどしの桂、割り打ちの銀

2022-01-07 01:02:00 | 将棋ウォーズ自戦記
「両取り逃げるべからず?」

・当て返す
 受けがなければ取り合ってしまえばいい。
 飛車を狙われたら、相手の飛車を見ればそれでだいたい助かっている。
・流れの中で両方逃げてしまう
・どちらか一方を逃げる
 例えば、大事な飛車の方を逃げる。
 格言に背いて「逃げてよし」という場合もある。
 (一時的に二枚換えの駒損になっていたとしても)
 二枚飛車が強い、後で取り返せる、相手の角が遊んでいる、陣形に差がある、など、大局的な条件によって。

 駒が当たりになって駒損がみえている時は、一般的にピンチである。しかし、同時にそれはさばきのチャンスとも言える。
 当たれば当たるほど腕の見せ所でもあるのだ。

「二つも当たってるんかい!」(大チャンス!)
 とポジティブに受け止めたい。
 痛いと思っていると視野が狭くなる。
 むしろ「わくわくする」くらいが上手く行く。

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傷心フェイス

2022-01-06 20:14:00 | ナノノベル
「なるほど。そういうことね。それでそんな顔なんだ。まあ、ありきたりな人生。振られることだってありますよ。私はないけど」
「はあ」
「でもあなたには顔がある」
「そりゃありますよ」

「そう。人間は顔よ」
「どういう意味ですか」

「目は口ほどに物を言う」
「それは何となくそうかも」
「壁に耳あり」
「はあ」
「2階から目薬」
「それが何か?」
「目も耳も口もみんな顔に集まっているわ」
「まあそうですよね」

「お前鼻が利くなーっ」
「えっ?」
「犬の嗅覚を甘く見ないこと。とても人間に勝ち目はないわよ」
「わかってます。勝負することもないと思います」
「馬の耳に念仏」
「馬の話じゃないですか」
「あなた少し似ているわね」
「別に似てないでしょう」

「最近どう?また顔出せよ。あんたここの顔じゃないの。どうした? お化けでも見たような顔だな」
「何ですか顔の話ばっかり」
「それだけ顔は広いという話よ」

「僕はこの先どうすればいいんですか」
「あなたまだ顔があるわ」
「だから何だと言うんです」
「今は瞳でパンが買えるの」
「顔認証ですか」
「そんなんでも顔は顔」
「……」

「ありきたりな人生。顔がありゃ何とかなる」
「はあ?」
「ということです」
「ちょっとどういうことですか」

「はい。相談料2万4千円になります」
「いや払うかー!」

「あなた顔でかいな」

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【将棋ウォーズ自戦記】振られても振っても負ける 

2022-01-06 16:43:00 | 将棋ウォーズ自戦記
 生まれては消えていく無数の戦いがある。雨の日も晴れの日も、ウォーズの盤の上に駒が飛び交わない瞬間はない。酷い負け方、痛いだけの敗戦、すべては棋譜として残る。忘れても忘れても、残り続ける棋譜。棋譜の数だけ棋士の生き様がある。それは生きた証とも言える。
「美しい棋譜になりますように」
 願いを込めて、僕らは初手を指すのだ。


 3分切れ負けの対局が始まった。相手はいきなり初手に飛車を振ってきた。『いきなり三間飛車戦法』だ。生粋の振り飛車党と思われる。僕はその堂々とした姿勢に押され飛車先を突いた。これが精神的な悪手だった。今の自分のテーマに照らせば『なんとか流左玉』か相振り飛車を選択するべきだからだ。(その際、飛車先の歩は不要不急の一手となる)ふらふらと駒組みを進め僕は居飛車穴熊に入った。対して相手は堂々と石田流に組んできた。僕は角を引いて銀との連動によって石田流の飛車に圧力をかけようとしたが、端角の働きがあり何事も起こらない。そこでふらふらとした駒組みを続けることになる。

 すると相手はいつの間にか角を中央にワープさせ、更に飛車の横にのぞき美しい陣形を作ってきた。手慣れた駒組みに押され、僕はふらふらと手損して角を戻った。(ここでは銀を引きつけ囲いを固めるべきだった)これがほぼ敗着となる。振り飛車の角のさばきは手損のようで少しも手損ではなく、意図を持って動いている。それに対して僕は、ただふらふらと動かしていたにすぎなかった。(これでは角に対しても失礼だろう)魂の入った手に魂のない手は勝てないのだ。

 相手は満を持して仕掛けてきた。その手順は、先に居飛車側の飛車先を突っかけ、続いて石田側の飛車先を突っかけるというものだった。これが同時に角筋を通していて浮き飛車に当たるのがポイントだ。飛車で歩を取った時に飛車交換にはならず、突き捨てた歩を食いながら飛車をかわされて困る。この時に石田流の桂に紐がついていることが、仕掛け成立の条件だ。もう1つは居飛車の角の位置で、もしも僕が角を無駄に動かさずちゃんと引き角の状態であれば、角の守備力が強くやはり仕掛けは成立しにくかった。これは石田流に対して居飛車が浮き飛車で受けた場合の理想の仕掛けの1つ。絵に描いたような仕掛けをあびているようでは話にならないと言える。
 僕はそれに対して飛車を引いて受けたが、やはり似たようなものだ。一方的に飛車を成られ、香を拾われ、飛車を捕獲されては手段も尽きた。投了もやむなし。中盤で早々と投了となった。このような内容では、3分あっても時間が余るというものだ。魂を入れ替えて次の一局に進みたい。



「早指しやあってはならぬ3連敗」



 敗局は1つの死ではないだろうか。王様が詰む前に僕の魂が折れた。けれども、僕らは何度でも生まれ変わることができる。破れかぶれだった飛車も、遊びほうけていた角も、消えていった歩も、みんな元通り。何事もなかったように定位置についている。あとは僕が復活するかどうかだ。「負けました」と下げた頭は、反省して進化するためにある。脳内感想戦が終わったら、顔を上げよう。何度でも僕らは次の一歩を踏み出すだろう。「お前が先手だ!」と上の声から声がした。

 僕は初手に堂々と中央の歩を突き出した。これほどかっこいい手が他にあろうか。中飛車のさばきを受けてみよ。相手は居飛車、僕は中央位取りの中飛車から左金を繰り出した。(位を取ったら位の確保だ)普通は銀だが金だとどう変わるかという趣向だ。僕らは先人の知恵を借りて無難に駒を運ぶこともできる。しかし近年では人間を超えた新しい知能の台頭によって、従来の先入観にとらわれない駒組みも見られるようになった。
 それはそれとして、早指し戦では自分流の工夫を見つけることによって、自分のペースをつかむ戦い方も有力だと思う。

 僕は普通の美濃には組まず、あえて玉の腹に金の方を上げる趣向を選択した。相手は角道を止めてじっくりした構えで、穴熊にする意図はなさそうだった。僕は左の銀をぐんぐん繰り出して、金の隣に運んだ。相手は桂を跳ねてきた。続けてぴょんぴょん跳ねられては怖いので、僕は渋々歩を突いて防いだ。(角道が止まってしまうのでできることなら突きたくないのだ)それをみて相手は飛車を転回させ、中央から反撃してきた。中飛車にとっては油断ならない変化だ。

 中央に歩が突っかけられる。だが、数は十分に足りている。僕は間合いをはかる意味も兼ねて、ふらふらと角を引いた。すると相手は中央の歩を取り込んできた。それに対して僕は金で歩を取り返した。すると相手はスッと銀頭に歩を伸ばしてきた。金と銀の焦点に突き出された歩。これが痛恨の一撃となった。銀で取れば金が浮く。金で取れば飛車が浮く。持ち歩が一歩では返し技もない。つまり、どうやっても致命的な駒損を避けられない。

 その瞬間、すべての趣向が裏目に出たことを悟った。中段に出た金銀の連携の悪さ。もしも普通に美濃囲いなら飛車に紐がついていた。渋々突いた歩によって角の応援が断たれていた。酷いものだ。すべてが負けるようにできている。相手はこちらの駒組みの弱点を突いて見事に咎めたとも言える。試みることは楽しく、ただなぞっているよりも発見の機会は多くなる。たくさん転んだあとで、先人の知恵を思い出すのもいいだろう。

 どうにもならない歩を僕は銀で取った。すると相手の角は金を取りながら躍り出てきた。
 当然の一手だ。

 投了もやむなし。
 局面をみるほどに戦意が失われていき、ここで無念の投了となった。



「焦点をみつめて取ったお~いお茶」
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【将棋ウォーズ自戦記】おまじないの歩

2022-01-04 03:48:00 | 将棋ウォーズ自戦記
 ごきげん中飛車を目指す出だしから相手はいきなり角を換えてきた。これに対して銀で取るのも立派な一手。以下中飛車を目指すのも有力だろう。飛車で取って向かい飛車とするのも自然な一着だ。真ん中に角を打ち込む手には合わせ角で受かる。あるいは馬を作らせて指す指し方も考えられる。馬の力は偉大だが、角を使ってもらったことで駒組みの制約から解放されるメリットもある。一方的に角を手持ちにし、馬を圧迫するような陣を敷ければ面白い戦いとなるだろう。

 銀か飛車か。しかし、3分切れ負けでは、それしきのことで深く迷っている暇はない。僕はおよそ4秒ほど考え込んで飛車で取った。
 角交換向かい飛車だ。相手は玉側の端歩を突いてきた。対して受けずに玉を囲う。すると端歩を突き越してきたので穴熊に囲った。バランスは取りにくいが、3分切れ負けでは王手のかからない穴熊が力を発揮することも多い。

 相手は銀を繰り出し桂を跳ねてきた。どうやら穴熊の玉頭に向いている気がする。もしや飛車まで……。その時、相手の飛車先はまだ一つ突いただけで止まっていた。僕は玉頭攻めを警戒して桂取りに自陣角を打った。向かい飛車の歩をこちらから伸ばすと、左桂を跳ね低い陣形から決戦に打って出た。歩を謝れば長い展開になるが、相手は堂々と飛車交換に応じ元の位置に飛車を打った。
 自陣飛車だ。こちらの穴熊に対して、相手はバランス型の中住まい。堅さではかなわない。しかし、自陣飛車によって打ち込みの傷を消し、浮いた桂を取り切れば徐々によくなっていくとの大局観だろう。そこで僕はなけなしの一歩を使い、飛車の頭に歩を垂らした。

 おまじないの歩だ。指した瞬間、何の確信もなかった。ただ間接的に自陣角の角筋に入っているので、何かよさげな手だと思ったのだ。相手はまじないの歩を堂々と飛車で取った。対して単に歩を伸ばし角道を通すと、飛車で桂を食われてしまう。それではおまじないの意味がない。

 飛車を呼び込んだ効果が現れるためには……。僕は歩を食いながら銀の腹に桂を成り捨てた。(きっとどこかで目にした筋が記憶の片隅にでも残っていたのだろう)そうしておいてから歩を突き出して角道を通す。成り捨ての効果で飛車桂の両取りだ! 伸ばされた歩を飛車で取ることがこれに対する唯一の受けだ。やはり桂損にはなるが、真の狙いは飛車の筋を変えて自陣の守備を無力化することだった。

 僕はすかさず元は桂のいた位置に飛車を打ち込んだ。これで香を取り返すことが確定した。そして、より大きいと言えるのは、敵陣での竜の活躍がほぼ約束されたことだった。中住まい玉はバランスに優れた形。全体的に隙を与えなければ、穴熊相手にも十分戦うことができる。逆に1カ所でも破られてしまえば大変だ。自陣に竜ができてしまうダメージは、並の囲いとは比較にならないこともある。
(実は自陣飛車に構わず右辺の桂を角で食いちぎって飛車を打ち込むという単純な強襲が有力だったと後で気がついた)

 相手はふらふらと飛車を成り込んできた。しかし、金銀が低く構えていて空成りだ。僕は下段に歩を打って竜を追ってから悠々と香を拾った。駒損を回復すると玉形の差と竜の働きの差が歴然とした。相手は竜の尻から桂を打った。気の利いた攻めがないことが苦戦を物語っていた。(実戦的には穴熊の端を攻めれば難しい面もあったようだ)

 将棋というのは一旦よくなってしまえば、いい手ばかりが回ってくることがある。(それは勝ち将棋の醍醐味だ)

 僕は竜を狙って下段から香を打った。田楽刺しだ。相手は本来桂が成りたいところに泣く泣く竜を突っ込んできた。それに対して最善手は、強く竜を取り寄せにいく手だった。(穴熊の堅陣なのに、何を恐れることがあるだろう。そこは自分の弱さだと反省する)僕はあえて竜を取らずに、角をかわしながら先ほど打たれた桂を取った。これで竜取りだけが残り攻めの継続がない。

 合理的ではあるが、勝ち味としては遅い。(3分切れ負けの将棋で勝ち切るためには、踏み込めるところではシンプルに踏み込むという積極性も大事だと思う)形勢は振り飛車大優勢。相手は潔く投了を選択された。その時、僕の残り時間は1分で、相手はより多く残していたと思う。飛車を取り切らなかったために寄り筋までは遠く、寄せがグダグダになって時間で負けるという可能性も考えられた。将棋の作りがなってないとみての判断かもしれない。(指す手がないのに指し続ける将棋はつまらないものだ)3分切れ負けで指しているのは時間を大切にしている人たちだと考えられる。気持ちを切り替えて先へ先へと進む姿勢もよいではないか。

 将棋の強さには、大局観や構想力など色々な要素があるが、1つの手筋を知っているかどうかが勝敗を分かつ場合もある。短い将棋では狙いを消し合うよりも我が道を行き合うことが多いため、派手な大技も決まりやすい。そこも3分切れ負けの魅力だろうか。左桂の活躍が印象に残る一局となった。

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