眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

レインボー

2018-03-30 01:23:23 | 短歌/折句/あいうえお作文
差し出した手がはたき落とされる音で猫は目覚めた。準備に追われる世界の向こう半分では、もう後かたづけが始まっている。元気を取り戻そうと全力で歌う世界の裏側では、ただ安らかに眠ることを願う者たちがいた。それが厄介な問題なのか世界のバランスなのか猫は知らない。

願いをかけようとする星はその前に蹴飛ばされてしまう。誰かのためなどではなく突き動かすのは習性だ。星を追う内に猫はまた幾つもの時空を越えてしまう。光、闇、光、闇、光、闇……。

光が宇宙を広げようとした向こうで、神様が縮小に向けて動いていた。その間に猫は身を滑り込ませた。大いなる隔たりの中に浮かんで眠り始める。
「ああ、虹がかかった」



オルタナの
虹をかけよう
絶え間ない
いい争いに
詩が渡るよう


折句 短歌「鬼退治」


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