眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

pomeraの世界

2019-05-07 05:48:33 | 好きなことばかり

世界につながってはいなかった

どこからも広告は流れてこなかった
何もないキャンバスとぺちゃんこの文字盤が
直角よりも開いたところで向き合っていた
 
「君は何を映すんだ?」
「それは君次第だろう」
「僕は何を残すだろう」
「私を見ていればわかるよ」
「何を生産できるだろう?」
「打ち込めばいいんじゃない?」
「何を?」
「わからないの?」
「僕にはわからないよ」
「私にだってわからない」
「何か足りない?」
「例えば?」
「よくわからないね」
「なんとなくならわかるの?」
「君はわかってそうだね」
「そうでもないの」
「やっぱりそうか」
「わからないのよね」
「何かだよ」
「何かね」
「僕が弾けるための何か」
「そして私に映すための何か」
 
テーブルの上で
pomeraは考えあぐねていた
何もないキャンバスと
かすれた文字盤がただ
直角よりも少し開いたところで
未来に生み出される何かについて
考えを巡らせていた
あるいはもう一つの鍵を
待ちわびていた
 
pomeraはずっと開いたままだった
それはどこからやってくるだろう
 
「君は何を映すんだ?」
「それは君次第だろう」
 
 
 

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