カチッとして先端に火をともし一口くわえるとすぐに指でつまんで離し互いにそれを交換してはくわえ合うというのが働く人々の流儀だった。私はまだ自分のそれを持っておらず、輪の中に加わることができなかった。漂ってくる黒い煙に包まれながら、私はただ指をくわえ未来を夢見ていた。#twnovel
彼女の隣には無の母が座っていた。「はじめまして」明るく挨拶され少し緊張がほぐれた。他愛のない話のあと「何をされている方なの?」と核心に踏み込まれて、再び胸が高鳴った。ぼ、ぼくは。いったい何をしてるんだっけ? 「ちゃんと無を見て話してあげてね」彼女の声で我に返る。#twnovel