旭社から、御本宮に至る門をくぐると、周囲は神域の雰囲気を漂わせ、鬱蒼とした森の中を石段が、さらなる高所へと導いてくれます。
そして最後の階段を一直線に上れば、視界がぱっと開け、目の前に御本宮の社殿。規模はさほど大きくありませんが、品格のある社殿が、御神木のクスの巨木に守られるかのように建っています。
(上: 御本宮。江戸時代、「こんぴら参り」は庶民の夢であり、一大イベントであったという)
(上: 御本宮を守るかのように立つクスの巨木)
クスノキは、かつては船を造るのに使われた木です。だから水上交通の守護神である金比羅宮には、とてもふさわしい御神木と言えます。
全785段。海抜251メートルに位置する御本宮の展望所から見渡せば、讃岐平野が眼下に広がり、讃岐富士が、ポッカリ浮かんでいるかのように、優美な姿を見せていました。
(上: 疲れを吹き飛ばすかのような、讃岐富士の優美な姿)
さらに石段を極めたい方には、ここから奥社に至る583段の石段が待っています。
そして帰り道。上って来た時より急坂に感じる石段に、少々、足がすくみそうになりながらも、無事下山。途中参道をそれて、旧金比羅大芝居「金丸座」(重要文化財)に立ち寄りました。
(上: 下りは、下を見るのがちょっと怖い)
天保6年(1835)に建てられた、現存する日本最古の芝居小屋で、移築、改修を経て、現在は、江戸時代の手法そのままに歌舞伎が楽しめる芝居小屋になっています。
(上: 江戸時代の芝居小屋が復活した「金丸座」)
内部は、「廻り舞台」や「セリ」、「奈落」、役者が宙乗りするための「かけすじ」、天井から花吹雪を散らすための「ブドウ棚」など、興味深い仕掛けがいっぱい。様々な仕掛けや工夫を目の当たりにし、技術の高さに感心。江戸の芝居小屋の興奮が目に浮かびます。
--「こんぴらさん」終わり---
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