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1989年6月5日付け『文匯報』

2005-06-03 21:38:42 | 香港写真ルポ
程翔記者拘束のニュースはその後も次々と報道されており、昨日2日には妻の劉敏儀さんが胡錦濤主席に宛てた公開書簡で程氏が香港・台湾情報収集にあたり中国政府高官に協力していた事実を告白、「知りすぎた男」として事件に巻き込まれた疑いが浮上しまた、同じく4月末に拘束された事が発覚した中国社会科学院の陸建華研究員との関連も指摘されている。国際社会からの非難が一段と高まるなか、中国は明日4日「六四」16周年を迎える。

ところで本日3日付けの香港紙『明報』に、1989年6月生まれの男子中学生・陳章君を紹介する記事が載っている。「記念日」から丁度20日後に生まれたという陳君が「史実を認識する為にも明日の六四燭光晩会(キャンドル追悼会)に参加します」という旨の記事であるが、掲載された写真の陳君は「記念日」の翌日である1989年6月5日付けの『文匯報』を手に掲げていた。

『文匯報』と言えば、香港の親中国共産党系紙「御三家」の一として、党ラインに沿った報道をするのが常の事であるが、この時ばかりは事件に衝撃を受けたスタッフ一同が全面的に抵抗、5日付けの同紙には「強烈譴責法西斯血腥暴行 向北京死難愛國同胞到哀 香港《文匯報》全體同人」という宣言と共に、惨状の生々しい様子がありのままに報道されている。陳君が持っているのは、昨年の15周年の際に主催者が作成し、配布していたレプリカだと思われるが、筆者もこれと同じものを貰ったことを思い出し急遽、紙面を撮影してみた。

時は流れて16年後、拘束事件で「渦中の人」程翔記者は他ならぬこの『文匯報』で1981年から87年まで駐北京特派員兼副編集長を務めていたが、89年の事件を境に同社とは決別、雑誌『當代』を創刊している。

【写真】

1989年6月5日付け『文匯報』 (FOX新聞館 六四)
http://www.geocities.jp/foxnews_64/wenweipo19890605.html

(注:室内でざっと撮影したため、状態は余りよくありません。尚、紙面は白黒ですが脳漿の飛び散った遺体写真などかなり凄惨な画像が含まれています。苦手な方は御覧にならないで下さい。

【参考資料】

89年出世中四生吁認清六四史實
(明報 2005.06.03) *要登録 翌日以降有料
http://full.mingpaonews.com/20050603/gwk1r.htm
Wife of held HK reporter reveals link with academic
(Reuters 2005.06.03)
http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml?type=worldNews&storyID=8686493
程翔簡歴表;程翔被捕時序表
(蘋果日報 2005.05.31)
http://appledaily.atnext.com/images/apple-photos/640pix/20050531/Article_news/newx111.gif
程翔妻子致胡錦濤公開信
(蘋果日報 2005.06.03) *翌日以降有料
http://appledaily.atnext.com/template/apple/art_main.cfm?sec_id=4104&showdate=20050603&art_id=4940168

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