Following Mr.Darcy

BBC版『高慢と偏見』シーンごとの台詞で追いかけます

episode-1-5

2011-06-19 23:22:40 | Pride and Prejudice
メリトン・アッセンブリーにビングリー達の一行が到着。
ゆっくりと馬車から降りてくるビングリー、ダーシー、そしてミス・ビングリー



周囲を品定めするような目で眺め回します。





Mrs. Bingley: Shall we be quite safe here, Mr. Darcy, do you think?
Mr. Darcy : ........
ミス・ビングリー : ここは安全だとお思いになる、ダーシーさん?
ダーシー: .........




Mr. Hurst: Damned silly way to spend an evening.
ミスター・ハースト: くだらない夜の過ごし方だ。




この地の社交の場を、見下すような目で見つめるダーシー。
あまり気が進まないけれど友人についてきた様子。









館内は明るい音楽が流れ、手を打ったり、軽いステップを踏んだりでダンスの真っ最中。
踊るエリザべス、リディア。

このダンスシーンの男性陣、なぜこんな人たちばかり?と思えるような・・・パッとしない人ばかり・・・(笑)
ビングリーとダ―シ―を引き立たせるために選ばれた人たち?と勘ぐってしまうほど。





メアリー、ジェーン、シャーロットは踊らずに立って見ています。
音楽の演奏者は年配の3人。バイオリン、チェロ、そしてフルート。







そこへ、ネザーフィールドの5人、入室。
目立ちます。この場の注目を一身に集めて、場が少し静まり返ります。
この集まりの中では、ダーシー、ビングリーは嫌でも目を引くでしょう。このルックス。この背丈。女性達ざわめきます。
富裕階級と一目でわかるコスチュームのミス・ビングリーとミセス・ハースト。





Sir William Lucas: Mr. Bingley! Allow me the pleasure of welcoming you to our little assembly here.
Bingley: Wir William, I'm very glad to see you.
There's nothing that I love better than a country dance.
ウィリアム卿:ビングリーさん。私たちの小さな集いへようこそおいでくださいました。
ビングリー:ウィリアム卿、お会いでき嬉しいです。カントリーダンスは大好きです。




Elizabeth: Only two ladies, then, after all. Do you know who they are, Charlotte?
Chrlotte: Mr. Bingley's sisters, I undrstand. One of them is married to the gentleman there, Mr. Hurst.
Jane: The taller gentleman?
エリザべス: 結局女性は二人だけね。誰だか知っている?シャーロット。
シャーロット: ビングリーさんの姉妹よ。お姉さんの方はあそこにいる紳士、ハーストさんと結婚なさっているわ。
ジェーン: 背の高い方の方?




Charlotte : No, the other.
シャーロット: いいえ、もう一人の方の方。





Elizabet: Better and better!
エリザべス: いいわね。 





Jane : They're very elegant.
Elizabeth: Better pleased with themselves than what they see, I think.
ジェーン: 皆さん、とても上品だわ。
エリザべス: でも自尊心が高そうに思えるわ。





Mrs. Bennet : Lizzy! Jane! Come here. You see that gentleman there?
Lady Lucas has just told me he's Mr. Bingley's oldest friend.
His name is Darcy
ミセス・ベネット: リジー!ジェーン!こちらへいらっしゃい!
ねえ、あそこに紳士が見えるでしょう。ルーカス夫人から聞いたのだけど、ビングリーさんの親友でダーシーさんとおっしゃるの。






Mrs. Bennet : and he has mighty fortune and a great estate in Derbyshire.
Bingley's wealth is nothing to his. Ten thousand a year, at least.
ミセス・べネット:大富豪でダービシャーに地所をお持ちとか。ビングリーさんと比べ物にならないわ。年収は少なくとも1万ポンドですって。






Mrs. Bennet: Don't you think he's the handsomest man you've ever seen, girls?
Elizabeth : I wonder if he would be quite so handsome if he was not quite so rich.
ミセス・ベネット:今まで会った男性のうちで一番ハンサムじゃないこと?ねぇ?








Mrs. Bennet : Oh, Lizzy! Lord! They're coming over. Smile, girls! Smile!
Sir William : Mrs. Bennet, Mr. Bingley has expressed a wish to become acquainted with you
and your daughters.
ミセス・ベネット: まあ、リジー!どうしましょう!こちらに来るわ。笑顔よ。二人とも、笑顔!
ウィリアム卿: ベネットさん、ビングリーさんが奥様と御嬢さんたちにご挨拶がしたいと言っておいでで。
(さりげなく後ろについて来るダーシー)





Mrs. Bennet: Sir, that is very good of you. This is Jane, my eldest. And Elizabeth.
And Mary sits over there. And Kitty and Lydia, my youngest, you see there dancing.
Do you like to dance yourself?
ミセス・ベネット: それはご丁寧に。(お辞儀)こちらが長女のジェーンです。そしてエリザべス。
メアリーはあちらに。そしてキティとリディア、末の娘たちは踊っています。
ビングリーさんはダンスお好きでらっしゃるの?





Bingley : There is nothing I like better, madam. And if Miss Bennet is not otherwise engaged,
may I be so bold as to claim the next two dances?
ビングリー: ダンスは何よりも好きです、奥様。もし御嬢さんに先約がなければ、次の2曲をお願いできますか?





Jane: I am not engaged, sir.
Bingley : Good.
Mrs. Bennet : You do us great honour, sir. Thank the gentleman, Jane.
Elizabeth : Mama!
ジェーン: 先約はありませんわ。
ビングリー: よかった。(後ろで仏頂面のダーシー)
ミセス・ベネット: とても光栄です。ジェーン、この方に感謝しなさいね。
エリザべス: ママ





Mrs. Bennet : And you sir? Are you fond of dancing, too?
Bingley: Oh, I beg your pardon. Mrs. Bennet, may I present my friend, Mr. Darcy.
Mrs. bennet : You are very welcome to Hertfordshire I am sure, sir.
I hope you have come here eager to dance, as your friend has.

ミセス・ベネット: そちらのお方は?やっぱりダンスはお好きでらっしゃるの?
(ビングリー、後ろにいるダ―シ―に気付き、慌てて)
ビングリー:これは失礼しました。ベネットさん、友人を紹介します。ダ―シ―君です。
ミセス・ベネット: ハートフォードシャーへようこそいらっしゃいました。(お辞儀)
お友達と同様、あなたもダンスを楽しみにいらしたんですの?





Darcy : Thank you, madam, I rarely dance.
Mrs. Bennet : Well, let this be one of the occasion, sir,
for I wager you'll not easily find such lively music or such pretty partners.

ダ―シ―:どうも、奥様。私はめったに踊りません。
ミセス・ベネット: それでは、今晩はめったない機会になさったら?
陽気な音楽もありますし、綺麗なお相手もおりますし。
(ダ―シ―は一礼して、去ってしまう)





Mrs. Bennet : .......
ミセス・ベネット: 。。。。。(ムーっと怒りの表情)




ビングリーは慌てて


Bingley : Um, pray, excuse me, ma'am.
ビングリー:ちょっと失礼します、奥様。





Mrs. Bennet : Well! Did you ever meet such a proud, disagreeable man!
Elizaeth : Mama, he will hear you!
Mrs. Bennet : I don't care if he does. And his friend disposed to be so agreeable and everything charming.
Who is he to think himself so far above his company?
Elizabeth : Well, the very rich can afford to give offence wherever they go.
We need not care for his good opinion.
Mrs. Bennet : No, indeed.
Elizabeth : Perhaps he's not so very handsome after all.

ミセス・ベネット: まあ、あんな偉そうで不愉快な人はいないわ。
エリザべス: ママ、聞こえるわよ。
ミセス・ベネット:聞こえたってかまわないわ。お友達は感じがよくて魅力的な人なのに。
自分だけ周りと違うと思っているなんて、何様のつもり?
エリザべス: お金持ちはどこへ行って、何をやっても許されるのよ。
彼の流儀は気にしないことよ。
ミセス・べネット:本当にそうね。
エリザべス:それにそんなにハンサムじゃないかも。
(ビングリーは困った表情。ダ―シ―は無視)








ダンスの光景が続く
いい雰囲気で踊るジェーンとビングリー
目配せするビングリー、口元緩めて、ちょっと首を振るダ―シ―





目を転じると、大きな声でダ―シ―の非礼をガナリ続けるミセス・ベネット



Mrs. Bennet : No, indeed! Quite ill-favoured. Certainly nothing at all to Mr. Bingley.
ミセス・ベネット:本当にいやな感じなの。ビングリーさんとは大違いだわ。





部屋を歩き回るダ―シ―。
はしゃぐ妹二人












ここでメリトン・アッセンブリ―に姿を現したネザーフィールドの5人について、原作本の記述を抜書きしておきます。


Mr. Bingley was good-looking and gentlemanllike; he had a pleasant countenance,
and easy, unaffected manners.
His sisters were fine women, with an air of decided fashion.
His brother-in-law, Mr. Hurst, merely looked the gentleman;
but his friend Mr. Darcy soon drew the attention of the room by his fine, tall person,
handsome features, noble mien, and the report which was in general circulation within
five minutes after his entrance, of his having ten thousaned a-year.


『ミスター・ビングリーは、なるほど好男子で、りっぱな紳士だった。明るい顔、くつろいで気取りのない態度、それに姉妹というのが、また美人で、一分と隙のない服装をしている。義兄のミスター・ハーストというのは、これはただ紳士というだけのこと。ところが、友人だというミスター・ダーシーにいたっては、背の高い見事な骨柄、ととのった目鼻立ち、上品な物腰、おまけに彼が入ってきて、ものの5分とたたないうちに会場全体に広まってしまった、なんでも年収一万ポンドはある金持ちだという噂が、たちまち満座の注意を彼ひとりに集めてしまった。』
- 中野好夫訳 -


『ビングリー氏は好男子で紳士らしい人であった。感じのいい表情と、ほがらかで気取りのない態度をもっていた。彼の姉妹は、洗練された女性で、寸分の隙もなく上流風であった。義兄のハースト氏は、ただ紳士と見えるだけだったが、友人のダーシー氏は、そのみごとな高い体躯、秀でた容貌、気品ある物腰、そして彼がはいってきてから5分間とたたぬうちにあたりに広がった、一万ポンドの年収があるという情報などによって、すぐさま一座の注意を引いた。』
- 阿部知二訳 -




しかしダーシーの評価はすぐに変化してしまいます。



and he was looked at with great admiration for about half the evening,
till his manners gave a disgust which turned the tide of his popularity;
for he was discovered to be proud; to be above his company,
and above being pleased; and not all his large estate in Derbyshire
could then save him from having a most forbidding, disagreeable countenance,
and being unworthy t be compared with his friend.


その晩も半ばころまでは、すっかり感嘆の眼で見られていたのだが、そのうちに、彼の態度は妙に反感をそそるということで、人気の風向きはすっかり変わってしまった。理由は、お高くとまって、一座のみんなを見下している。面白そうな顔もしない、というのである。しかもそうなると、もはやダービシャーに持っているという広大な土地も、なんていけ好かない面つきだとか、ミスター・ビングリーに比べては、物の数ではないだとかいう非難悪評から、彼を救う力はまったくなかった。
- 中野好夫訳 -



その夜の半ばころまでは、たいへんな賛美の目でながめられたのだったが、そのうち彼の態度が不快な感じを与え、その人気は潮を引いてしまった。というのは、彼は高慢で、一座の人々を見くびり、人々と楽しむ気などないということがわかったからだ。彼がダービシャーに大きな領地を持っているということをもってしても、きわめて取っつきにくく不愉快な風貌であり、彼の友人に比べる値うちもないという事実を、どうすることもできなかった。
- 阿部知二訳 -










easy, unaffected manners
くつろいで気取りのない態度
ほがらかで気取りのない態度

unaffected は 『気取りのない』と訳すのか。それから;


to be above his company, and above being pleased
一座のみんなを見下している。面白そうな顔もしない
一座の人々をみくびり、人々と楽しむ気などない


above being pleased の訳など勉強になります。




最初の頃のダーシーは、顔つきからして無表情でいかにも尊大で高慢。ビングリー姉妹と同列で、自分たちより下流階級の人たちに対して慇懃無礼な態度。
笑顔を作らず(最後のシーンを除いてずっと笑顔なしですが)枠の中に自分を閉じ込めている感じ。
ただビングリーに目配せして俯くところなど、悲しげな表情も垣間見えて、陰の部分もありそう。
気が進まないけど来た割には、ビングリーの後ろにこっそりついてきて、ベネット姉妹に興味を持っている様子などは、なんだか可愛い。
始まりがこんななので、このステキなお方が、なぜ社交の場ではこんなに偏屈で不愉快な態度しかとれないのか、どんな経緯でどんな心境の変化が訪れるのか、ぐんぐん引き込まれたのでした。

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