早稲田建築AO入試 空間造形力エキスパートコーチ 高橋順一の日記:合格最短の秘密


国内外美大デザイン受験指導32年約1000名累計合格率89.9%
/早稲田建築AO他10年指導コーチング

建築家の作品とテイスト(世界観・スタイル・様式・手法)、 そして受験するきみのデッサンや立体造形へのアドバイス

2018-02-02 10:14:31 | 早稲田建築AO受験マスタ−コーチの秘密

▶建築家の作品とテイスト(世界観・スタイル・様式・手法)

そして受験するきみのデッサンや立体造形へのアドバイス

 今日は早稲田や建築科受験で実技(空間造形表現)試験がある大学における、あなたのデッサンや早稲田建築AO入試の自己PR資料などにいれる立体造形や、建築に関する自己空間造形作品におけるテイストという問題について、私の考えを述べてみたいと思います。

 20世紀建築の3大巨匠については、これは直線の世紀であり19世紀までの自然主義的美学の反動ともいえる。

 1. コルビジェはドミノ理論というコンクリート床と柱と階段というスタイルを創造した。それに屋上庭園などのアイデアもある。またイスなども美しく機能的で時代を超え人々に愛されている。

 2. ミース・ファンデル・ローエはガラスと鉄骨という素材で高層建築を可能にした。これはラーメン構造(ドイツ語で骨組・額縁)で、後は美しい矩形のプロポーション比を応用して軽やかで明るい建築といえ本人の書籍では外壁を大きなガラス面にすることは、明るい皮膚と描いてある。”Less in more”や”Cost is design”などのモダンな手法も発見し、洗練とモダンな時代を超えたセンスで時代を引率していると云える。中庭のあるコートハウスのスタイルやイスなども美しく機能的で時代を超え人々に愛されているのはコルビジェと同様。

 3. フランクロイド・ライトは自然主義で、石や木材、レンガなどの自然素材を使い自然と芸術的建築を追求したモダンとは少し間をとり一体化する調和感の単品芸術スタイルのウイリアムモリス的な芸術思考が特徴だが、公共建築や商業建築ではコンクリートなども使い、やはり美しい自然採光アトリウムや植栽や室内水盤などの建築への応用や外形の意匠などは非常にほとんど抽象彫刻的審美眼と洗練差で時代を超越している。ほとんど工芸作品とも云える机やイス、照明器具、トイレ、暖炉などは大量生産を前提としたプロダクトデザインとは、まったく正反対の芸術作品として単体デザインと云えるのが特徴。

 

 モダン建築では103歳まで現役建築家だった故オスカーニーマイヤーはモダンに個人的パワーを封じ込め、安藤忠雄はコルビジェを範として内装仕上げという工程を省き、コンクリート打ちっ放しというストイックな手法で自己の建築世界観の表現し、ゲイリーからはその潔さとミニマルな禁欲的空間造形でサムライと言われた。

4.  フランク・ゲイリーは自身のインスピレーションの発露のために彫刻家とのコラボなど型破りな非日常性の建築芸術作品は、もはや建築のパンクロックとも云える。故ザハ・ハデイットも自身の発想の根幹にはロシアアバンギャルドという美術運動体のアーテイストからのインスピレーションがそのドローイングから伺える。また、その中でもガボの鉄とワイアーの抽象彫刻などからも類似な発想もあり、ジャン・アルプなどの抽象彫刻、あるいはアールヌーボー様式などの自然形体の花や植物、魚、果物などの形体も比較すると興味ぶかい。

 

 建築受験ではそれらが何の関係があるのかと?受験生は思うだろうが、それが大いにあると云える。これらの偉大な建築家や彫刻家などの作品はイメージ的には、そのアーテイストの心の中にある大切な価値観であり世界観であり、日々内省して自問自答しながら想像し生きてきた証と云えるからで、将来建築家をめざす建築受験生は、やはり自分が創る作品世界は独自なテイスト(ミュージシャンや音楽家などがよくつかう言葉として)を表現できる造形表現力をさまざまな建築以外の美術作品を研究して、きみ自身に身に付けてほしい。

 早稲田や横浜国大や芸大、美大の建築系受験でなぜ、デッサンや立体造形力の実技試験の造形表現力試験が行われるのか?その意味が理解できるのではないかと思います。受験するほうも大変ですが、それを行う側も時代の先を見据えそれぞれの大学の先生方をはじめスタッフ、あるいは学部生のバイトなどを含めて膨大な準備と時間と費用をかけてAOと一般入試が行われることも理解してください。

 21世紀は20世紀建築の構築主義という哲学的な表現からの反動で、また19世紀までの曲線の時代とは異なるSF的な世界観が訪れているように感じる、人々は決まりきった型ではない自由な表現を求めているのかも知れない。

 

                       高橋順一 ©

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