黄色い靴

それは去年の夏。
靴を整理しようと箱を開けたら、見たことがない黄色い靴が出てきた。
いくら黄色が好きだからって、黄色い靴を買った記憶はない。
「なんだっけ、この靴」と手にとって見たら・・・
全体が黄色いカビに覆われた、リーガルの黒いブーツだった。
悲鳴とともに、ブーツは飛んでいった。
まだ１回しか履いてなかったので、かなりショックだった。

靴の修理屋さんに
「あの、カビた靴ってきれいにしてもらえるんですか？」
と聞けば
「修理以外は出来ません！」
と冷たい。
皮の状態を元に戻すんだから、修理と同じじゃないの？

仕方がない。
自分で磨いて、磨いて、乾かして、磨いて、磨いて、
何とか履ける状態に戻した。
でも結局、冬になっても箱から出して履くことはなかった。

あれっきり、靴がどうなっているのか見ていない。
今年はそんなにジメジメしていないから、大丈夫かな？
また黄色い靴になっていたら・・・クラッ。
でもそうなっていたとしても、今年は大丈夫。
見つけたんです、靴のクリーニング屋さんを。
革靴を洗ってくれるらしい。
どんな靴もきれいになるらしい。

ただ、黄色い靴の姿のまま持参するのは恥ずかしい。
女なのにカビ？　全体にカビ？

結局、恥ずかしくない程度に磨くはめになるでしょう。
カビていないことを祈るのみ。
さて、箱の中を見てみましょうかね。

　　＋＋靴のお手入れは苦手なんです＋＋