太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

電力システム改革に関する提言

2016-04-22 08:10:11 | 仕事に関すること

自然エネルギー財団が電力システム改革に関する提言を公表した。現在進行形の改革に対して欧米の先駆的経験を参照しながら提言項目を纏めている。いつもながらタイムリーで内容はしっかりしており、日本で自然エネルギーを増やしていくという財団の活動に沿ったものである。方策としてやや理想論的なところはあっても現実の捉え方にはいつもながら感心する。団体の立ち位置にもよるが、同財団は「市場」から見た提言が特に優れている。太陽光発電を眺望する場合、何のメガネを通して見るかによって多少違いが出てくる。太陽光発電協会は「産業」という眼鏡越しである。川下では「消費者」という立場もあろう。川上では「エネルギー・環境」という眼鏡である。一つのものを捉える時、複眼的に見る習性が大事ですよと先輩に教わった。

それぞれのメガネは利益代表という立場もあるが、これが私利私欲に走ると当然メガネが曇ってしまう。川下の消費者という立場は力を結集して纏め上げるということは難しい。かって「地球環境イニシアティブ」という任意団体が作られニュートラルな立場で多くの素晴らしい提案が為されたが残念ながら大きな広がりは見せなかった。使う立場である消費者には様々な価値観があり最も纏めることは難しい。勿論消費者団体の代表という肩書で委員会等でものを言う才女(らしき)人も何人か居るが感覚的には「選ばれし人」という雰囲気を醸し出し、ブランド品を身につけて登場したのでは誰の意見を反映しているのと疑うのはひねくれ者の私だけか。

川上であるエネルギー・環境は“何故太陽光発電か?”というそもそも論で大変重要であるが、もっぱら学者や評論家、一部マスコミの方々がオピニオンリーダーとなる。今最も人材不足はこの分野である。主義主張、物の見方がはっきりした人達は国の委員会から外れ、その場その場で風見鶏のように意見を変える小器用な学者が重宝がられている。在野の学者、評論家もほとんど御用聞きしか残っていない。気骨を感じないのはひねくれ者の私だけか。

元に戻して市場と産業という立場を考える。今二つの団体が頑張っているが、大事なことは自分達がどの立場、メガネを通してものを言っているかを明らかにすることである。結果として当然官との摩擦が起こることも考えられる。太陽光発電が政策や制度と大きく関係するからと言って単なる窓口、御用聞きでは存在意義がない。かと言って何でも反対では何も生み出さない。官に対しても言うべきことは言い、共感できることは全力でサポートすべきである。官との摩擦を恐れて忠犬に徹するなら国から一切の費用負担をして貰うべきである。幸い二つの団体ともに国からの資金援助はなさそうなので独立、独自性は保てるだろう。子雀のように口を開けて餌を待ったり、風向きだけを心配しても軸が錆びついてあらぬ方向を向いたりすることの無いように。

川上が信用できない、川下が十分纏まり切らないなら川下、川上にも踏み込んで二つの団体ともに存在感を示して貰いたいものである。

 

 

 



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