太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

B級読書途中感想文

2019-08-28 08:23:53 | 日記

暑かったせいで遅々として読書が進まなかったが此処にきて少しスピードが上がってきた。短編集が下らなかったことは以前書いたが今度は少々読み応えのあるものにぶつかった。ミステリー小説であるが物語の進行に無駄がない。ついつい次頁を読みたくなる秀作である。よくある殺人事件を追う窓際刑事の執念の物語であるが、殺人事件が企業犯罪であったという展開だ。背景には社会問題や企業エゴなどが巧に描かれており作者の広範な勉強のあとが伺える。多分取材や文献調査を経て執筆にかかった時は既に90%くらい作業は終わっていたのだろう。思いつきで想像を膨らませて書く若い作家が多い中で構成は緻密である。松本清張の小説と似たところがあるが影響を受けているのは確かだろう。惜しむらくは、殺人事件の動機の解明がストーリー展開の要であるのに小説のタイトルがそれを暗示しているのが惜しい。別のタイトルの方が良かった。Bの上のA'くらいにはあるのではないか。

今は光瀬龍氏の「百億の昼と千憶の夜」に取り掛かっている。こちらは萩尾望都氏の漫画本に感銘していたが、たまたま原小説を古本屋で見つけて買ったものである。何十年か前漫画を読んだとき原作小説を読みたいと思っていた。宇宙を統べる「神」を追い求める巨大な叙事詩のようなものであるが、これも光瀬氏の博識(相当勉強されている)に驚かされる。単に空想で書けるものではない。まだ序章だが描く世界の稀有壮大さは十分伝わってくる。また場面ごとに萩尾望都氏の美しい絵が浮かんでくるので違った味わいで楽しめる。多分漫画が無ければ個人の想像力だけでは場面を思い描くことは難しい。読み終えたら感想を書こうと思う。

本来はミステリーの後は少し勉強のためにイスラーム文化について書かれたものを読もうと思っていたがこれは少々大変で後回しになった。フォントが意外に小さく遠近両用メガネでは読み辛いのだ。フォントが大きいとページ稼ぎかと損をした気分になり、小さいと読み辛いと文句をいう。ハズキルーペを買うべきか。単なる凸レンズならスーパーで老眼鏡でも良さそうな気もするが。銀座のクラブでこの老眼鏡をお尻で10回くらい踏まれて壊れてもハズキの値段にはならないだろう。HAZUKIを掛けてRIZAPに行けばCMは1本で済むのに。同じ匂いがする。