太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

胸のすく思い

2018-05-26 08:35:59 | 日記

昨晩はボクシングファンにとって胸のすく思いだった。井上尚弥選手の3階級制覇、しかも1RKO勝ちである。ボクシングファンであることは何度かブログに書いた。井上選手はTV中継された試合は全て見ていると思うが強いのは分かっていた。しかし、今回はライトフライ、スーパーフライ級からライト級へと3階級上げての挑戦である。相手は長身でリーチも大人と子供ほど差がある。アウトボクシングをされたら苦戦するし、判定にもつれ込むかと思っていた。

試合が始まると不安は一気に解消である。相手のガード、グローブの上から打ったパンチに一瞬ひるむ瞬間があった。私のように目の肥えたファンは見逃さない。井上選手はかって相手のグローブの上から打ったパンチでKO勝ちしたことがある。これではガードもクソもない。デビュー当時は顎も細く、体もひ弱に見えてこれほど強くなるとは思っていなかった。何十年とボクシングを見て来たが一番強いかも知れない。

今でも外観は強靭な体格に見えないがスロー再生した時に凄さが分かる。こんな所にも筋肉があるのかと思われるほど1グラムの無駄も無い戦う筋肉の鎧をまとっている。打たれない上に強力なパンチ力があり本当に強い。トレーニングに如何に励んできたかの証である。ボクサーには二通りのタイプがある。一つはショービジネスを意識したビッグマウス、もう一つは求道者のようにひたすら強くなることを目指すタイプである。後者はミドル級の村田選手や今回の井上選手が代表的である。村田選手が世界一強いと言った同じ階級のゲンナジー・ゴロフキンなどもこのタイプと思う。カザフスタン出身の彼は日本人にも似た顔つきでショービジネスに徹するアメリカ人選手と違い大口は叩かない。これら3選手に共通なのはチャンピオンになっても尚謙虚なところである。

井上選手は試合後のインタビューの直前、ジムの大橋会長のところに駆けより何やら耳元で囁いていた。インタビューでは今秋、ボクシングの異なる団体のチャンピオンがトーナメント形式で戦い真のチャンピオンを決める大会に参加すると発表した。多分大橋会長に発表の許可をとっていたのだろう。あれほど強烈なKO勝ちの直後でも冷静に物ごとを考えることができる逸材である。

昔はボクシングはハングリースポーツの代表であった。拳一つで金も名誉も手に入れる何とかドリームの場であった。チャンピオンになった後、スポーツカーに乗って首都高で事故死した大場選手を思い出す。凄まじい根性で劣勢を挽回するファイトスタイルは大好きだった。根性が一時代を築き何人もの名選手も誕生したがその後一時日本ボクシング界は低迷した時期がある。世界が科学的トレーニング、理論に基づく選手育成に励む中、根性だけを拠り所にしていたが故の遅れである。ハングリースポーツが変貌していた時期を捉えることが出来なかった。今でも根性は大事だがそれだけでは済まない。女子マラソンが一斉を風靡した時代に根性論監督も居た。

根性第一はアマチュアスポーツの方が多いかも知れない。プロほど科学的トレーニングや理論的解析にかけられる金もなく代替は歯を食いしばる根性だけである。アメフトはプロテクターは高価で作戦も相当科学的分析をしなければ立てられないから金はありそうなので多分根性だけではないだろう。

スポーツ新聞を買う事はまず無いが今日はイートインタイプのコンビニで買って100円コーヒーを飲みながら新聞を読もう。年に何度かの贅沢である。