ゆっくりかえろう

散歩と料理

ブログ中の画像・文章の無断使用を禁じます。

匂い7

2015-11-30 | フィクション

  俺たちは小松の運転で 千葉の木更津まで高速道路で移動した。

浦安辺りから身体が重くなった。

こっちに来るのを 身体が嫌がっている。 

内陸へ少し入った社長宅は 二階の居宅に比べ ガレージが異常に広かった。

俺たちは 社用なのでお宅には上がらず 直接ガレージに案内された。

 薄暗い だだっ広いガレージは 薄気味悪い空気が何故か感じられる。

奥へすすむと 派手なパリッ ピキィーン と喧しい。

「華岡さん、アレは何の音?」

「なんか居るなぁ あれはラップ音さ」  

「えっ ラップって?」 

 説明している間がおしい 俺は返事をせず先を急いだ。

*ラップは霊気や妖気の気配音です

 

薄暗いガレージの中は 端に停めてあるクルマの周りだけ ぼうっと薄明るかった。

  瞬間 ガレージ内に眩い照明が灯った。

怪しい光は消え去ったのに まだ微かに気配は消えない。 

 見渡せば やはり広い車庫で満車なら 三十台は入るだろうか。

そこに十台ばかり大型車中心に ゆったりと並んでいる。

名の知らぬ黒塗りのリムジン スポーツセダン 流線型のスポーツカー クラシックカー等々 高そうなクルマばかり どれも新車のように磨き上げられている。

 車のマニアが見たら さぞかし喜ぶだろうが 生憎私にはその価値が解らない。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。