宮部みゆき氏著「おそろし」からのシリーズ。袋もの問屋三島屋の店主の姪は預かり娘ですが心に傷があり これを癒やそうと始めたのが 世間様の怪談話を聞かせて貰い 彼女のリハビリに活かそうという趣向で始めたのでした。あんじゅうはシリーズ第二弾です。
よその文庫と重複するものがあり 逃げ水は既読で 仁木先生のさびしい女神に出てきた日照り神のお話でした。
表題作あんじゅうは面白く可愛らしく 物悲しく哀れで(正体はまっ黒くろすけ?) 真に宮部さんらしい作品ですが 後味はややすっきりとはいきません。
全四話600ページは疲れますが 新しい登場人物が沢山出てきてだんだん賑やかなお話しになりつつあり続きが楽しみです。
全体にややまどろっこしさが感じられ初期の頃の切れ味は薄れましたが その代わり温かさがあります。