池永陽氏著 小さな街のコンビニを巡る 人々の人間模様。
主人公のコンビニ店長 幹郎は事故で妻子をうしない 心に穴の空いたままの人です。
その穴を埋めようともせず 心は宙ぶらりんのまま。彼は人の話を聞いてくれる。
相談にのるのでも 一緒に泣いてくれるのでもなく ただ聞いてくれる。
だから彼に関わる人は 彼と話し、やがて自分で結論をだす。
彼の静かなファンは多い。物語は一話完結ですが 個別に 昭和歌謡の香りがします。
ある話は演歌であり また或る話は ムード歌謡であり J-POP が似合う話もあります。
全体に暗く重い話で構成されており、軽いものが欲しい時はふさわしく有りませんが
心が乾いた時 湿り気や温みが欲しい時、読むと楽になるかもしれません。