Jun日記(さと さとみの世界)

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土筆(48)

2018-04-16 10:00:09 | 日記

 「君達一家は本当に気を付けた方がいいと思うよ。」

彼は彼女に忠告し始めました。僕は君の従姉妹より、君達の家族との方が親しいから言うんだけど、君達の親は父親同士が兄弟でも君のお父さんの方が兄さんなんだろう。近所でも君の家の方が羽振りがいいのが本来だろう。それが、この儘だと従姉妹の家の方が、弟の家の方がご近所で顔が利くようになるよ、変じゃないか?道理が合わないだろう。今の内に何とかした方がいいよ。

 彼のそんな生真面目な言葉を聞いて、彼女は内心の可笑しさを隠して置けなくなりくすっと笑うと、ぺろりと舌を出し微笑みました。そして、彼に向こうでは誰がどんな事を言っていたのか、また、その子の言う従姉妹の様子や評判、評価等も尋ねてみるのでした。

 ここで彼女は向こうへ行こうと場所を指さし、同意した彼と並んで歩き出すと広場の奥の遊具が置いてある所に話の場所を移しました。そこは広場の角隅に当たり、ひそひそ話をするには打って付けの場所でした。

 私はというと、この時点よりもかなり前から2人の側にはいませんでした。一緒にいた年下の男の子が、1人外れて石造りの碑のある場所に遊びに行っていたのです。そこで私は、2人がさっぱり意味の分からない話を話し込んでいるのに飽きて来た時、彼らの側から離れると年下の男の子を追いかけて行きました。石造りの碑の角等で、彼が怪我等しない様に面倒を見ていたのでした。碑の側で一人遊びする幼い子にあれこれと話しかけてみて、知っている遊びなども教えてみるのでした。私は自分がしてもらったと同じ様に、年上のお姉さんらしくその子の世話をしているつもりでいました。その為、2人から離れて以降の従姉妹や同い年の男の子の話しは全く聞いていませんでした。

 


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