劇団☆新感線 INOUEKABUKI SHOCHIKU-MIX「蛮幽鬼」

ど真ん中ストレートが来たよ。
…私の好みに。

今年ナンバーワンは「ラマンチャの男」で確定だと思っていたんだけれど、
そして感動のベクトルが別方向なので比較するのもおかしいんだけど、
…「好み」という点ではダントツだ。この芝居。

登場する人物という人物が全部好みだ。
世界観がものすごく好みだ。
ストーリー展開がめっちゃ好みだ。
好きで好きで仕方がない。
もう、途中から「好きだーー！」と叫びたい衝動に駆られた（笑）

物語は、復讐譚。そう、「巌窟王」。
友人の裏切りで無実の罪を着せられた男が遠大な復讐計画を遂行していく。

飛頭蛮＠上川隆也。
コスプレがこんなに似合うとは知らなかった。
狂気がこんなに似合うとは知らなかった。
真ん中がこんなに似合うとは知らなかった。
テレビなんかじゃ伝わらない、圧倒的な存在感。

彼と対峙する、サジ＠堺雅人。
あの笑顔の破壊力。
あの声、あのセリフ回し。登場した瞬間から、鼓動が速くなる（笑）

…てゆーか、ですね。
上川＆堺で、「南京路」が見たい、と、途中から妄想が止まらなくなって（爆）
いや、年齢合わない、というツッコミは無しで。

年齢っちゅーか、本来のキャラで言うと、黄子満は刀衣＠早乙女太一なんですけど。
いやあ、美しかった。女形の舞はテレビまんまだったんだけど、
男としての立ち回りがものすごい！
過去への傷つき方とか、美古都への純粋な想いとか、そういうアンニュイさも
好みど真ん中ですわ。
結構本気で見たいなあ、早乙女くんの黄。

その美古都＠稲森いずみは、もう文句なしの美しさ。
ラストの姿が好きでした。
ああ、アムネリスさまがそこにいる。
（前の晩にNHKの芸術劇場でオペラ「アイーダ」を見たばっかりで。）
愛する者をすべて失って、信念に生きる高潔な女帝が、本当に似合う。

蔵人＠山本亨も好きなキャラだ。
ただ一人信じられる、実直な男。

ペナン＠高田聖子、稀道活＠橋本じゅん、音津空麿＠粟根まこと
というお馴染みメンバーはもう、期待通りの素晴らしさで。
特に橋本さんの華はすごい！　もうすっかりファンです。

惜春＠千葉哲也も好きだ～。こういう遠大な「はかりごと」、私は大好きなんです（笑）

クライマックス。
圧倒的に美しい人たちが、
私の好みど真ん中の世界観の真ん中で、
この上なく美しい立ち回りを繰り広げる。
救いのない悲劇。そこに雪崩れ込んでいく、カタルシス。
一人ひとりが抱える心の闇と、
そこから流れ出る血を浴びてなお潤わない、サジの渇き。
「救い方」の見つからない、心の闇。
脳内に「ブルース・レクイエム」が流れる（違）

ラストの終わり方は、全員の闇にきっちりとカタをつけてくれるし。
大好きだ。

もちろん小ネタの数々もとっても楽しかったですよー。
一番笑ったのは「四季式発声法」ですが。いいのかそんなネタ。

物販で「五右衛門ロック」のDVD買っちゃいましたー。運転中に聞くんだ♪