じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

貫井徳郎「子を思う闇」

2023-01-12 17:57:03 | Weblog

★ 塾生、特に小学生の女子の間で「ストプリ」が大人気だ。「わたしの推しは、りーぬくん」とかなんとか賑やかだ。ドームコンサートの映像などを見ると人気の凄さがわかる。

★ 録りだめしてあった「相棒」を観る。亀山刑事が容疑者となる第3話、「最後の晩餐」と題する第4話を観る。特に第4話は面白かった。チャップリンの「街の灯」の引用が泣かせる。脚本が良いと感じた。刑事ドラマであると同時にヒューマンドラマだ。

★ ドラマで視聴率10%得るのが難しい時代だが、人気を維持し続けるドラマはさすがにすごい。

★ さて、今日は日本推理作家協会編「ミステリー傑作選36 殺ったのは誰だ?!」(講談社文庫)から、貫井徳郎さんの「子を思う闇」を読んだ。両親が息子の暴力に耐えられず、息子を殺すという話。

★ 子の親殺し、親の子殺しというのは実に悲惨だ。愛情がねじれてしまうと憎しみが増幅するらしい。事件に至るには積み重なった年月があり、その間にどうにかできなかったのかと思うが、「家庭」という聖域にはたとえ親族でも立ち入りがたいようだ。

★ 物語としては、重層的な構成で面白かった。

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吉行理恵「小さな貴婦人」

2023-01-10 15:48:22 | Weblog

★ 日曜日は模試。そして月曜日で冬期講座が終わった。今日から新学期。学校から下校する生徒たちを見て、季節の移ろいを感じる。そしていよいよ受験までカウントダウン。京都の私立高校入試まで31日となった。

★ さて、読もうと思ってなかなか読めなかった吉行理恵さんの「小さな貴婦人」(「女性作家シリーズ16」角川書店所収)を読んだ。

★ この「女性作家シリーズ」、全24巻刊行され、女性作家のなかなか良い作品が収められている。何かと世間を騒がす角川書店だが、良い仕事もしていると思った。

★ 「小さな貴婦人」、題から幼いながらも気品を備えた少女をイメージしていたが、内容は全然違った。主人公がかつて飼っていた「雲」という名の猫の話あり、雑貨屋で買ったぬいぐるみの話あり、雑貨屋で知り合った詩人の話あり、作中作ありという感じだった。

★ 実体験に基づく作品。1981年の芥川賞受賞作。

★ 年末年始、小学生の入塾が相次いだ。新しい年の始まりだ。

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黒川博行「カウント・プラン」

2023-01-07 19:28:57 | Weblog

★ 年末年始と好天が続いたが、今日は久しぶりに小雨がぱらついた。正月気分もあっという間に去り、明日は今年度最後の五ツ木の京都模試だ。高校受験まであと5週間。

★ さて、今日は日本推理作家協会編「ミステリー傑作選36 殺ったのは誰だ?!」(講談社文庫)から黒川博行さんの「カウント・プラン」を読んだ。

★ スーパーマーケットチェーンに脅迫状が届く。店内に毒物を置くという。店から連絡を受けた大阪府警の刑事が現場に向かう。

★ 犯人の目的は何か。本当に毒物が使われるのか、それとも悪いイタズラなのか。そんな折、ペット売り場で熱帯魚が大量死する。毒物、青酸化合物が使われたようだ。警察は青酸化合物を扱う業者を懸命に洗い、ある人物にたどり着く。

★ その男は計算症という強迫神経症に苦しんでいた。

★ 短い作品だが面白かった。刑事たちの大阪弁も良い感じだ。実在の高校名や地域名が出てくるが差しさわりはなかったのだろうか。

☆ セブンイレブンで「飯田商店監修 金の醤油らあ麺」(冷凍)を買って試食してみた。麺は良い感じだったが、スープが油っぽくて私には合わなかった。手間がかかった割に残念だった。

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伊坂幸太郎「ラッシュライフ」

2023-01-06 19:17:38 | Weblog

★ 月日が駆け足で進んでいく。今年ももう6日が経過した。

★ 伊坂幸太郎さんの「ラッシュライフ」(新潮文庫)を読み終えた。

★ 「泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う・・・」裏表紙の概略通りの作品だった。

★ 泥棒のプロを自認する黒澤、リストラされ失業中の豊田と彼が拾った老犬が特に印象に残った。

★ 主に4つの出来事が互いに交錯していく。世の中は全くかかわりのないような人々がどこかで関わって進んでいく。毎日、主役が変わって、リレーのようにつながっていくという視点が面白かった。同じような日常だけれど、全く同じ日は決してない。日々新たに、そう考えれば惰性の日々も新鮮に感じる。

★ 「ラッシュ」に込められた意味を考えさせられる。

 

☆ 世相は物価高に増税ラッシュ。消費税も聖域ではなさそうだ。朝日新聞、やくみつるさんの風刺画が心に残る。 

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中村文則「教団X」

2023-01-05 19:19:59 | Weblog

★ 冬期講座はあと4日。ピークは過ぎた感じがする。またまたコロナ感染の波が襲ってきたようで、受験期を前に気がかりだ。

★ さて、中村文則さんの「教団X」(集英社文庫)を読み終えた。村上龍さんの「愛と幻想のファシズム」(講談社文庫)、村上春樹さんの「1Q84」(新潮文庫)の延長線で読み始めたが、ストーリーがよくわからず読み切るのに苦労した。

★ ある男が行方不明になった女性を捜して、2つのカルト教団に関わっていくのだが、結局どうなったのか未消化なままで読み終えた。

★ 「教祖の話」として教説が解かれているが、ここまで引用じみた内容が必要だろうか。

★ 教祖にまつわるエピソードの紹介はそれはそれで物語だが、なんかごちゃまぜ感がする。暴発してテロを起こそうとする場面も何か中途半端な気がする。性交描写に至っては、ここまで必要だろうか。

★ 陰謀論的な提示、保守勢力が軍備を拡張する際の手法については参考になった。権力がいかに世論を操作し、意図する政策を実現しよとするのか。現政権や軍需産業にとっては、北朝鮮の挑発や中国の軍備拡張、ロシアのウクライナ侵攻は実に好都合だ。

★ 「教団X」は少々期待外れだった。中村さんの短い作品はシャープなんだけどなぁ。

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「欲望の資本主義2023」

2023-01-03 15:13:42 | Weblog

★ 今年は元旦から教室を開けているので、比較的規則正しい生活が送れた。「仕事に勝る健康法なし」って感じかな。8日には高校受験に向けての最後の模試があり、14日には英検がある。中学3年生の学年末テストは25日から27日。そして入試に突入する。そして、あっという間に確定申告の季節が来る。

★ さて、録画しておいたNHKBS1スペシャル「欲望の資本主義2023」を観る。2017年から始まったこの番組。正月の楽しみだ。

★ 毎年、視点を変えて世界の著名人のインタビューで構成されている。わずか5年あまりなのに、世界は激変している。アメリカ分断の象徴・トランプ政権の誕生、新型コロナウイルスの蔓延、ロシアのウクライナ侵攻。そして、食糧危機、物価高等が世界を襲っている。

★ 今回の番組でも述べられていたが、世界経済におけるアメリカの相対的地位の低下がこれからの世界を読み解くカギになりそうだ。

★ 「モノ」から「コト」へ、「コト」から「トキ」へという消費傾向の変化は参考になった。特に若い世代を中心に、「トキ」消費への動きが活発になりそうだ。

★ 「トキ」消費とは、非再現性、参加性、貢献性を特徴とする消費傾向だという。1回きりのイベント参加型の消費だ。娯楽に限らず、社会運動や政治にもこの傾向が出てくるかも知れない。

★ リモート化、バーチャル化が進む中での人間の野生の叫びだろうか。昔からある「まつり」に近いものかも知れない。それも「受け身」ではなく参加型のまつりだ。自己顕示欲と自己実現、抑圧された鬱憤の発散。

★ 自然発生的なものもあろうが、仕掛け人の存在も気になる。熱狂はかつてのファシズムにも通じるものがある。自由なはずなのに、豊かなはずなのに、最近生きづらく、だんだん窮屈になっているような気がする。集団圧力(空気、ムード)を気にして、言論・表現も自主規制気味だ。

★ 日本に目を向ければ、識者の未来予想は厳しい。少子高齢化、人口減少にどう対処すべきか。番組では移民受け入れを推しているように感じたが、その方向に進むのか。

★ いろいろと考えさせられる番組だった。

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松本清張「帝銀事件の謎」

2023-01-01 21:25:22 | Weblog

☆ 新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

☆ 冬期講座に追われて、元旦にやっと年賀状をつくることに。いざ印刷の段階で、プリンターが不具合。ほぼ年に1回しか使わないので、インクのノズルが詰まってしまったようだ。何度かクリーニングを試みるがうまくいかず、結局、パソコンで作り直した。夕方ようやく投函。近年年賀状の枚数は激減。せめて頂いたところにはお送りしなくては。

★ NHKスペシャル「未解決事件」で「松本清張と帝銀事件」を観る。第1部が「松本清張と『小説 帝銀事件』」というタイトルでドラマ仕立て、第2部は「74年目の”真実”」と題してドキュメンタリー形式で描かれていた。

★ 「下山事件」と並んで、「帝銀事件」も謎が多い。そしてそのどちらにもGHQの影がちらつく。

★ 番組が面白かったので松本清張さんの「日本の黒い霧」より「帝銀事件の謎」(宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短篇コレクション下」文春文庫所収)読んだ。

★ ドラマの中で描かれていたまさに松本清張のノンフィクションだ。膨大な資料の読みこなしを経て、松本氏なりの推理が描かれている。

★ 資料の迫力はあるものの、小説ほどの魅力はない。松本氏はやはり小説の人だと思った。ドラマの中の編集者の言葉は的を射ている。名作家の後ろに名編集者(田川博一氏)ありだと思った。

☆ さぁ、今年も頑張りますか。

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