じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

両角長彦「この手500万」

2022-02-13 17:02:00 | Weblog
★ 昨夜は映画「ドント・ルック・アップ」(2021年)を3分の2ほど観て、寝落ちしてしまった。小惑星が地球に衝突するというもの。「地球最後の日」(1951年)、「アルマゲドン」(1998年)、「ディープ・インパクト」(1998年)と同じような設定の映画を観てきたが、それらがシリアスなパニック映画だったのに比べ、この作品はコメディーだ。

★ 危機に瀕してそれを認めようとしない政府。視聴率目当ての軽い切り口を求めるメディア。随所に風刺が込められているのだが、分かりにくい。レオナルド・ディカプリオやメリル・ストリープなどそうそうたる俳優陣が演じているのだが、何かもったいない感じ。

★ 小惑星が地球と衝突し、衝撃波が伝播する映像は、先ごろのトンガ海底火山の噴火のようだった。小惑星が大気圏を進む様子は、数年前のロシアの隕石落下のようだった(その時の映像の方がインパクトがあった)。

★ 日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 ジャンクション」(講談社文庫)から、両角長彦(もろずみたけひこ)さんの「この手500万」を読んだ。こういう資金洗浄の方法があったのかと思った。
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湊かなえ「望郷、海の星」

2022-02-12 19:22:22 | Weblog
★ 私立高校の発表。早くも花園高校を受けた2名が合格した。明日、明後日とドッと合格者が出る。土日特訓もあと4回を残すのみ。

★ 日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 ジャンクション」(講談社文庫)から湊かなえさんの「望郷、海の星」を読んだ。今は都会で生活している男性。仕事に追われながら妻子にも恵まれて、温かい夕餉の時間。男は故郷から葉書が届いていると妻に告げられる。

★ 男は幼い日を回想する。父が行方不明になり、母と二人で浜を捜索するが手がかりがつかめない。母子家庭の貧しさ。生活の足しになればと男(少年)は釣りをする。そんなときある男性と出会う。男性は何かにつけ少年の家族を支えてくれたのだが、それにはある秘密があった。

★ 男は故郷に帰り、その秘密を知る。たった一言が言えないばかりに人生が変わってしまう人がいる。重荷を背負ってしまう人がいる。タイミングって難しい。

★ 青く青く光る海の星。その正体は何なのだろうか。
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大門剛明「言うな地蔵」

2022-02-11 15:24:45 | Weblog
★ 節分が過ぎて急に春らしくなった。京都南部、宇治は好天が続く。私立高校の入試が昨日終わり、生徒たちもまずは一段落。しかし5日後には公立高校前期入試が控えている。高校入試がだんだん前倒しになり、中学3年生の3学期はほとんど空転している(高校はもっとひどいが)。

★ 受験生の私学志向は衰えず、市場原理に従えば、公立高校をリストラ(統廃合)すれば良いのだが、地元に根付き、多くの卒業生を送り出しているだけに、それはそれで簡単ではなさそうだ。では、公立高校が奮起し、魅力あるものになるかというと、残念ながら死活がかかった私立校ほどの熱意は感じられない。後期中等教育、あるいは公教育が曲がり角に来ているのかも知れない。

★ さて、日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 クエスチョン」(講談社文庫)から、大門剛明さんの「言うな地蔵」を読んだ。人里離れた村で起きた殺人事件。林業の手伝いに来ていた少年が雇い主を銃殺したという。数十年を経て、少年は今や政権与党の代議士。妻の父親(義理の父)から地盤を引き継いだ。そして何の因果か、かつて殺人を犯した村を訪れることに。

★ 最後のどんでん返しにはおったまげたが、地蔵伝説がうまく盛り込まれていた。

★ 長編では福井晴敏さんの「川の深さは」(講談社文庫)を読んでいるが、これがなかなか面白い。残り半分。一気に読めるかな。
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中田永一「宗像くんと万年筆事件」

2022-02-08 23:35:57 | Weblog
★ 京都の私立入試まであと2日。こんな時期になって中3の塾生の家族にコロナ陽性者が出た。宇治市では1日で新規感染者が200人を超えた。市民の30人に一人が感染経験者というから身近に濃厚接触者が出るのも致し方ない。本人はショックを受けているようだが、私学にせよ公立にせよ、後日に受験できる態勢ができているので大丈夫だ。

★ ドラマ「臨場」は第8話「黒星」を観た。検視官補助員の小坂の同期、元婦警が変死で見つかる。状況から見て自殺だったが、倉石検視官は「他殺」の見立てをする。その真意とは。原作も読んだが、ドラマは、より一層面白く脚色されていた。

★ 中田永一「宗像くんの万年筆事件」(日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 エスプリ」講談社文庫所収)を読んだ。あまり期待せずに読み始めたが、なかなか面白かった。舞台は小学校。6年生のクラスで、ある男子の万年筆がなくなった。捜索の結果それが、ある女子のランドセルから見つかり、彼女が犯人扱いされる。そこで、普段はある事情でみんなから嫌われている男子生徒が推理を立て、真犯人にたどり着くというもの。

★ 前半は貧富の問題や子ども間のいじめの問題など、社会性を帯びた内容になっている。後半はまるで法廷劇のようで、小学6年生という設定を忘れてしまうほどだ。そして最後は何か切ない。

★ 教員の在り方に怒りを覚えるが、それは本筋ではないので、深入りはしないでおこう。ドラマ「古畑任三郎」の中で、少年時代の古畑が同級生(津川雅彦さん)の無実を晴らしたというエピソードがあった。それを思い起こした。

★ さて、ここにきてコロナ感染を恐れ学校を自主的に休んでいる生徒が塾に集まり出した。明日は朝早くから押しかけてくる。なんとも変なご時世となった。ともかく早起きをせねば。
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曽根圭介「妄執」

2022-02-07 19:36:16 | Weblog
★ 京都府公立高校前期の倍率が出た。ほぼ前年並み。私学の入試が先にあるので、その結果で辞退者が出る。最近は特に上位校でその数が増えている。私学志向が顕著ということだ。

★ 曽根圭介さんの「妄執」(日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 エスプリ」講談社文庫所収)を読んだ。時代を先取りしているというか、今日を予知したような作品だった。

★ ストーカーというのは困ったものだ。何でも自分に都合よく解釈し、独りよがりな妄想の中で生きている。妄想の果てなのか、それとも妄想と現実のギャップに堪えられなくなったのか、破滅的な行動に出る人がいる。

★ この作品に出てくる2人の男もそうだ。ガソリンを使った「自爆」は今日ではあまりにリアルだ。不条理極まりないことだが、防ぐ手立てがないだけに厄介だ。フィクションの世界だけの出来事であって欲しかったのだが。

★ ドラマ「臨場」は1日1話ずつ楽しんでいる。
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横山秀夫「囚人のジレンマ」

2022-02-06 18:28:06 | Weblog
★ 土日特訓は今日を入れて5回。今年度もいよいよ終盤だ。この業界は結果が出るから面白い。結果が出るから厳しい。全員志望校に合格させなければ。

★ 授業の合間を縫って、横山秀夫さんの「第三の時効」(集英社文庫)から「囚人のジレンマ」を読んだ。F県警捜査一課には3つの強行犯捜査係がある。どれも一筋縄ではいかないツワモノの班長が指揮を執る。今、管内では3つの殺人事件が起こり、それぞれの班が懸命に捜査をしていた。

★ 捜査一課長の仕事は3つの班を束ねること、そして夜討ちを掛けてくるブンヤさんたちをうまくあしらうこと。だがどちらにもちょっと手を焼いているようだ。

★ 先陣争いで殺伐とした署内。中には課長である自分を頭越しの振る舞いも。時には腹に据えかねることもあるが、成果を上げているだけに何とも言えない。最後まで読むと、こんな刑事の世界にもちょっとばかり温かい面があることを知る。

★ 横山さんの作品は面白い。実にドラマチックだ。

★ 新型コロナ、宇治市の感染者は5000人を突破。市民36人に1人の割合だ。もはや個別に追えないためか、宇治市として年齢や性別など詳細なレポートがされなくなった。国として3回目の接種は出遅れ、集団免疫にまっしぐらだ。 
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早見和真「店長がバカすぎて」から

2022-02-05 18:11:41 | Weblog
★ 朝日新聞「読書」のページ、「古典百名山」は平田オリザさんの担当。大岡昇平の「俘虜記」を取り上げていた。

★ 日本特有の私小説というジャンル。作家の心情は描かれるが、「対象が作家の行動に限定されるため社会性に欠ける難があった」という。

★ 個人の限定的な体験から普遍的なテーマにどう至るか。平田さんは志賀直哉の「城の崎にて」、そして大岡昇平の「俘虜記」に普遍性を見るという。コラムで抽出されている「俘虜記」の場面。場面は戦場、日本兵が敵兵を撃つかどうかで逡巡するところ、わずか3行の紹介だが背筋が震える思いがする。レマルクの「西部戦線異状なし」で敵味方の兵が塹壕で出会ってしまった緊張感に通じるものがある。

★ 折しも、私小説の流れをくむ作品を発表されてきた、西村賢太さんの急逝には驚いた。まだ50代半ばだ。

★ さて、私小説と関係があるのかないのか、今日は早見和真さんの「店長がバカすぎて」(ハルキ文庫)から第1話「店長がバカすぎて」を読んだ。書店の日常が書店員・谷原京子さんの視点で描かれている。とにかくこの書店には店長をはじめ、変わった(個性豊かな)スタッフが多い。上司に恵まれないというのは、どの業種であれ、勤め人には悲劇だ。にもかかわらず、彼女は本を愛して働き続ける。

★ 女性の本音が随所に出ていて面白かった。

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横山秀夫「真夜中の調書」

2022-02-04 18:05:02 | Weblog
★ ドラマ「臨場」(2009年)を改めて観ている。面白い。視聴率が15%を超える作品にはそれなりの理由がある。「臨場」は何といっても内野聖陽さんが演じる倉石検視官だ。組織に馴染めず、真相を追究するためには、縄張りも上下も関係ない。その性格は嫌われもするが、見立てに間違いがないだけに一目置かれている。

★ ドラマが面白いので、横山秀夫さんの「臨場」(光文社文庫)から「真夜中の調書」を読んだ。ドラマでは第3話だったかな。

★ 高校教師が殺され、すぐに容疑者が逮捕された。容疑者は頑なに黙秘を続けていたが、DNA判定の結果を聞くや一転犯行を認めた。DNAと自白があるので一件落着のはずだったが、倉石検視官が疑問を投げかける、というもの。ドラマではいくつかの脚色が見られた。

★ 原作では倉石検視官を表には出さず、うまく物語を進めている。

★ ドラマの中で倉石が食べる朝撮りの野菜がみずみずしくてうまそうだ。私立高校入試まであと実質5日。そろそろ志願者数(倍率)が公表される。
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天祢涼「父の葬式」

2022-02-03 16:51:49 | Weblog
★ 節分だという。スーパーでは例年通り恵方巻が売られているであろうが、混雑を避けるために1日中家に籠っている。

★ 私立高校入試まであと7日。コロナ感染に細心の注意を払う。近隣の中学校では、学校での感染を恐れ、中学3年生の半数が自主休校しているという。結果として、学校としてもうまい具合に、丁度いい感じの人数におさまっているようだ。(当然ながら学校から「休んでくれ」とは言えないが、ホンネとしてはありがたかろう)

★ さて今日は、天祢涼さんの「父の葬式」(日本推理作家協会編「ミステリー傑作選 エスプリ」講談社文庫所収)を読んだ。杜氏の父親と反りが合わず、家を出て7年の次男。兄から父の訃報を知らされ、気は進まなかったが帰郷。父は遺言で盛大な葬儀を希望し、喪主には長男の兄ではなく絶縁状態の自分を指名していた。

★ 喪主はおろか、そもそも派手な葬儀を嫌う次男は父親の真意がわからない。この7年間父親の面倒を見、家業の酒造を守ってきた長男を差し置いての喪主に周りの視線も冷たい。父、兄、職人、葬儀社の人々との葛藤を次男の視点で描く。父親はなぜ自分を喪主に指名したのか。彼なりの解釈はできたのだが・・・。


★ 葬儀の様相はここ20年で大きく変わった。直葬や家族葬が増えた。コロナ禍が拍車をかける。寺との関係も希薄になり、檀家制度も衰退していくかも。
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「自主休校」

2022-02-01 20:37:10 | Weblog
★ 今回のオミクロン株、低年齢層を直撃している。文科省は一斉休業の措置は取らず、一応の基準の元、学級閉鎖→学年閉鎖→休校の措置を各学校(実際は設置者である自治体)に委ねている。

★ ここ数日、急激に「自主休校」が増えた。コロナ感染を恐れて、児童・生徒が登校を控える傾向にある。今日、小学校のあるクラスでは出席児童が少なくて、事実上の学級閉鎖となった。中学校のあるクラスでは10名以上が欠席し、明日は更に増えるという。

★ 感染者や濃厚接触者はともかく、コロナ不安による不登校が増えている。タテマエばかりの行政にしびれを切らせたという感じか。中には生徒同士の申し合わせのような雰囲気もあり、それはそれで複雑だが、学校としても生徒に来てもらいたくないというのは本音ではなかろうか。

★ 学校を休み、自宅でじっとしてくれれば良いのだが、これも危うい。ファーストフードショップでワイワイなんてことはないように祈りたいが、塾で自習をしたいという生徒が増えるのではと戦々恐々だ。

★ 追記:教職員の感染が増えている。医療の逼迫はよく言われるが、この分では遠からず、教育現場もスタッフ不足になる。
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