じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

クール・ダウン

2018-05-28 20:14:20 | Weblog
☆ 蒸し暑くなってきました。近畿地方ももうすぐ梅雨入りです。

☆ 暑いと体力が消耗し、精神的にもゆとりがなくなります。些細なことでイライラしたり、血圧が上がり気味。

☆ 中間テストが終わって、生徒たちは新しい単元に入りました。

☆ 3年生は、「平方根」。これはなかなか難物です。わかってしまえば単に計算練習なのですが、数学が苦手な生徒はつまずいてしまいます。

☆ 2年生は、「式の変形」から「連立方程式」。1年生で学んだ「文字式」や「1次方程式」をすっかり忘れている生徒がいるので、そこから復習です。個人差が大きくてどうしてもヒートアップしてしまいます。

☆ 1年生は、正負の乗法と除法。これは比較的教えやすいのですが、その次は「文字と式」そして「1次方程式」と続きます。これも計算だけなのですが、文字が出てきた途端に拒否反応を示す生徒がいます。まずは食わず嫌いを克服すること。

☆ 「クール・ダウン」と自分に言い聞かせて頑張ります。授業が終われは冷えたビールが待っている。
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南木佳士「ダイヤモンドダスト」

2018-05-27 20:01:00 | Weblog
☆ 南木佳士さんの短編集「ダイヤモンドダスト」(文春文庫)から表題作を読んだ。

☆ リゾート地として開発される村。移ろいゆく自然の中で生きる人々。

☆ 主人公は医師を目指していたが父親の病で、その道は絶たれ、今は地元で看護師をしている。

☆ 母は亡くなり、妻も4歳の息子を残して病死した。かつて電気鉄道の運転手を勤めていた父親は、鉄道の廃止後脳卒中で倒れ今では認知症が進んでいるようだ。

☆ その父親が入院中に末期がんの宣教師と出会い、水車をつくることを決意する。水車づくりを通して再生される家族。

☆ そしてエンディング。凍える空気とダイヤモンドの輝きが心に残る。
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宮本輝「青が散る(下)」

2018-05-27 16:07:43 | Weblog
☆ 「面白い小説に没頭し、その世界にのめりこんで食事も睡眠もおざなりになってしまうようなときには、薄らいでいく残りのページが切なくて、最後の一枚に行きついてしまうのが物憂く感じられることがある」

☆ 文庫の巻末に掲載されている森絵都さんの解説の冒頭だ。全く同感だ。

☆ 宮本輝さんの「青が散る(下)」(文春文庫)を読んだ。うっとりした。作中の人物たちと時を共有する中で、まるで自分の学生時代であったような錯覚さえ覚えた。

☆ 今さらあらすじを書いても仕方がないが、大阪の郊外に新設された大学。そこに入学した学生を中心に、スポーツあり、恋あり、まさに青春の光と影が織りなす物語だった。

☆ 入学に始まり、卒業試験で話は終わる。この4年間、登場人物はそれぞれの時間を一生懸命に生きている。私が見ることができるのはそのほんの断片だが、作品の背景にはこの数十倍も大きな世界が広がっている。彼らは何かを喪い、その代償に何かを得た。主人公の燎平は自分だけ何も喪わず他の人々から取り残されたような気分になっているが、彼もまた多くを喪い多くを得ているように思う。

☆ 「潔癖」、老英文学者が燎平に贈った言葉だ。燎平はまさに「潔癖」を擬人化したものかもしれない。潔癖であるが故の不器用さ、潔癖であるが故の純粋性。荒っぽい大阪弁の背後に傷つきやすい繊細な心が垣間見える。これは燎平だけではなく、他の登場人物たちにも言える。

☆ 老いを迎える者はかつての日々を思い浮かべ、青春にある者は時代は異なれども燎平たちと葛藤を共有できるのではなかろうか。この作品の絶えざる魅力はこうした懐の広さにあるように思った。
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燎平と夏子

2018-05-27 10:07:10 | Weblog
☆ 宮本輝さんの「青が散る」(文春文庫)、今、下巻の70~80ページあたりを読んでいる。

☆ テニス部の仲間、安斎は心に病を抱えている。彼を見舞った後、燎平は夏子に電話し会うことになった。燎平は入学式の日から夏子を思い続けている。恋心を温めながら、決して告白をしなかった。なぜなのか。夏子を失うことが怖かったのか。それとも今の微妙な関係を壊したくなかったのか。自分自身に自信がなかったからか。

☆ でもその日、六甲の駅近くの喫茶店で、燎平は遂に告白する。一瞬動揺する夏子。そこでページが変わる。このあたりは演出なのか、それとも偶然なのかわからないけれど、心が震える。


☆ その後、ゆるやかな失恋気分の燎平は、心の出口を求めて、大阪へともどる。みんな少しづつ夢を実現している。みんな少しづつ大人になっている。
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阿刀田高「来訪者」

2018-05-26 14:44:26 | Weblog
☆ 阿刀田高さんの短編集「ナポレオン狂」(講談社文庫)から「来訪者」を読んだ。

☆ 育児中の浮田真樹子。そこに中年の女性が訪ねてきた。出産時、雑用を頼んだ女性だ。退院後も数か月に1回程度やってくるという。「ちょっと近くまで来たので」というが、来訪の意図がわからない。家政婦として雇ってもらおうというのか、それとも誘拐・・・。

☆ 女性が帰ったあと警察官がやってきた。そして事態は思わぬ方向に。

☆ 話がどう終わるのか最後の方までハラハラ。そして「なるほど」と思った。くわばらくわばら。
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中村文則「土の中の子供」

2018-05-26 11:48:21 | Weblog
☆ 中村文則さんの「土の中の子供」(新潮文庫)を読んだ。重い作品だった。重い作品だったが、一気に読み終えた。それだけ迫力のある作品だった。

☆ 少年は実の両親から放置され、遠い親戚に預けられたが虐待され、最後は土に埋められた。それで、この世から消えるはずだった。土と同化するはずだった。しかし、心の奥から湧き上がる何かに動かされて、土の中から脱出した。

☆ 少年を動かしたものは何だったのだろうか。幼い彼にはわからなかった。理屈ではない。言葉では表せない。土から脱出した彼を狙った野犬に向かって、彼は叫んだ。棒を振り回した。それは生への衝動としか言いようがない。

☆ 運命は卑怯だ。それは弱者を狙う。彼は弱者ではなかったのだ。


☆ 理不尽な暴力に耐える日々。彼は運命というものを感じた。それがモノを高いところから落とすという彼の性癖を形づくったのかも知れない。モノを落とす快感。手から離れたモノは運命に委ねられる。その運命を傍観する快感。神か悪魔か、人を、万物を支配する何者かの一端に彼は接したのかも知れない。
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「エル・チョクロ」から「ほんきかしら」

2018-05-26 02:21:44 | Weblog
☆ NHKラジオからタンゴの名曲「エル・チョクロ」が流れている。この曲を聴いていると島倉千代子さんの「ほんきかしら」が浮かんできた。コード進行やリズムが似ているのかな。

☆ そう言えば、クィーンの「ボヘミアンラブソディー」と映画「人間の証明」のテーマ曲も似てる気がする。モーニング娘。の曲は、「ヴィーナス」「ジンギスカン」などいろいろと思い浮かぶなぁ
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米朝関係の「ブラックレイン」

2018-05-26 01:41:44 | Weblog
☆ 映画「ブラックレイン」(1989年)。松田優作さん扮する新興ヤクザのボスが仲間と偽ドル紙幣の版木を奪う。奪われたのは若山富三郎さん扮する大組織の親分。松田さんはその版木を返す代わりに、他の親分と同等の親分として認めてもらうことを要求する。

☆ 松田さんの組織にとって版木は命綱。果たして彼はそれを渡し、目的を達することができるのか。映画ではこの二人に日米の刑事(高倉健、マイケル・ダグラス)が絡んで激しいアクションが繰り広げられる。

☆ さて、蜜月ムードだった米朝関係、急速に緊張が高まっている。最初はそれぞれにより有利な条件を得るための交渉テクニックかと思っていたが、雲行きが怪しい。アメリカが求めるのは北の核の完全放棄。その見返りは現体制を容認するというもの。ただ北にとってみればそう簡単に切り札を捨てるわけにはいくまい。だまし討ちなど世の常道。約束や信義などどれほどあてになろうか。

☆ 米朝の仲を取り持った韓国の指導者は困惑気味だ。結局は、大親分同士、米中の交渉に委ねられるのか。中国がこれからどう動くか。注目されるところだ。
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阿刀田高「ナポレオン狂」

2018-05-25 18:25:49 | Weblog
☆ 阿刀田高さんの短編集「ナポレオン狂」(講談社文庫)から表題作を読んだ。

☆ ナポレオンに関する蒐集にとりつかれた男の話。蒐集も趣味の範囲なら良いが、度を超えると狂気の域に入るようだ。そして、この男もついに一線を越えてしまった。

☆ いわゆる学者、専門家と呼ばれる人々には近いものがある。紙一重ということか。
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宮本輝「青が散る(上)」

2018-05-25 16:44:21 | Weblog
☆ 宮本輝さんの「青が散る」(文春文庫)上巻を読み終えた。面白い。

☆ 椎名燎平は、あまり気のすすまない大阪郊外の新設大学に入った。そこで、神戸の洋菓子店の令嬢・夏子に恋をし、長身の金子に強引に誘われてテニス部を創ることになった。物語は進むにつれて世界が渦巻き状に広がっていく。今まで隠れていた景色が開けていくようだ。

☆ 登場人物のキャラクターが冴えている。会話が面白い。大阪弁と標準語が巧みに交差する。自分自身の学生時代を思い出す。

☆ テニスにかける青春、恋心に揺れる青春。前途の未知数多いだけ悩みも多いが、その輝かしさは後年に分かる。時間をさかのぼることはできないけれど、燎平や他のキャラクターを通して追体験ができる。

☆ 小説には事実だけを追って速く読み進めたいものと、じっくり味わって読みたいものがある。この作品はじっくり味わいたいのだが、先を読みたい心が焦る。テレビで次週のドラマが待ちきれない心境だ。下巻に進む。
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