じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

魂の問題

2009-04-18 03:57:22 | Weblog
★ 茂木健一郎著「脳と仮想」はやっと最終章「魂の問題」までたどり着いた。

★ 本書は、西田幾多郎「善の研究」、阿倍次郎「三太郎の日記」、三木清「パスカルにおける人間の研究」などと並んでやがて古典となり、伝説となる名著であろう。

★ ところで近代科学において「魂」の問題ほど厄介なものはないと思える。

★ 茂木氏は「結婚式にその人が出席すると皆が当惑する問題のある親戚のよう」なものとたとえているが、実に言い得て妙である。

★ 人間は因果律に敏感な生き物だと思う。原因があり結果がある。この両者をつなぐブラックボックスが解明されないと、暗闇を手探りで歩くような不安感を覚える。

★ 茂木氏も指摘するように、すべてを方程式で表現できればこれほど心安らかなことはないのだが、私たちがまだ未熟で、宇宙を統一する理論を発見していないのか、さもなければそもそも森羅万象を方程式で表現しようと言うこと自体が人間の思い上がりなのか、未知数が多すぎる。

★ 意識というものが神経細胞間の電気信号だけで説明されれば、世界はもっとシンプルになるのだろうが、現実は複雑だ。

★ 「魂」が神経細胞の関係性から生じると言う茂木氏の仮説は興味深い。

★ 数億年の時を経て、単細胞の生命体は共同戦線を張り、役割分担と協働による複雑な運命共同体を構築した。「意識」や「魂」と言ったものは、どういう必然性をもって生じたのであろうか。それとも単なる副産物なのだろうか。

★ 私の死とともにこの宇宙も消滅する。この宇宙はすべて私が生み出した創作物かも知れない。私自身、私が意識することによってのみ存在する。

★ 「ドラえもん」がのび太君の夢だと言う説があるが、一理ある。

★ 「an sich」な生き方をしていたアダムとイブが、禁断の実を口にしてしまったから、私たちは「fur sich」な生き方に目覚め、それとともに苦悩を抱え込んでしまったのかも知れない。

コメント    この記事についてブログを書く
« 郵便不正事件 | トップ | プロフェッショナル »

コメントを投稿