★ 報道は中立・公正というが、そんなものはタテマエに過ぎない。インタビューにしても在京放送局が近場の声を集めて、一応両論を流すのが常だ。しかしそこには当然制作サイドの意図が見え隠れする。
★ 五木寛之さんの「海を見ていたジョニー」(講談社文庫)から「素敵な脅迫者の肖像」を読んだ。
★ 緊迫したラジオ制作の場面から物語は始まる。主人公はラジオ番組のプロデューサー。ドキュメンタリー番組を専門としている。しかし、昨今そういう番組は受けず、スポンサーもつかないことから、番組打ち切りの危機に直面している。
★ そんな制作現場にある男が現れた。番組のスポンサーを紹介する代わりに、番組の企画に加えてほしいという。うさん臭い要求ではあったが、制作の最終決定はこちら側にあるということで、プロデューサーはその要求をのむことにした。
☆ 世の中には頭の良い輩がいるものだと思った。放送番組をダシに使った体の良い脅迫なのだが、結局のところ誰も損はしていない。こういう存在は業界にはつきものなのだろうか。
☆ ずっと昔、ある県で、学校にとって不都合なネタをダシにして、いわゆる業界紙を買いとらせるという噂話を聞いたことがある。金額が管理職のポケットマネーで処理できるほどのものなので、表には出ないことのようだったが、業界にはいろいろな人が群がるものだと思ったものだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます