☆ 羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」が文庫(文春文庫)になっていたので読んだ。すごく良かった。
☆ 認知症の始まった祖父と同居する30歳前の男性が主人公。今は、その祖父と母と自分の3人暮らし。祖父は子どもたちの間でたらい回しされ、主人公の家に行きついたようだ。主人公は激務(ブラック)のカーディーラの仕事を辞め、今は就職浪人。専門職をめざして勉強をしているが思うようにいかない。それに祖父の介護だ。
☆ 思うようにいかないと「死にたい」と口にする祖父。いっそのことと思い、主人公は安楽死を計画する。
☆ 介護に疲れた主人公のイライラ感と冷淡な計画とは裏腹に、その外形的な行動だけを捉えれば、実に献身的だ。家族ゆえの暴言があり、家族ゆえの葛藤があり、家族ゆえの後悔がある。
☆ もはや機械的になった、祖父の「ありがとう、お願いします、すいません」のセリフが切ない。
☆ 私は父の介護を18年している。寝たきりになってからは8年だ。胃ろうを増設し、酸素チューブを装着し、痰は機械で吸引する。
☆ 胃ろうがない時代、食べられなくなったら人間は寿命だったのだろう。1週間から10日ほどで衰弱死すると言われた。それも天寿とあきらめるのも選択肢だったが、意識がはっきりしているのに、嚥下障害だけで自然死という名の安楽死を選択することはできなかった。
☆ 酸素にしても、呼吸不全になれば意識が衰え、やがては死を迎えるのだろう。しかし、苦しそうに呼吸する姿を見るに忍びない。わずか1リットルの酸素を補給するだけで、今では酸素飽和度が97%に保たれている。健常者と変わらない。
☆ 痰の吸引を怠れば、窒息するかも知れない。それはそれで仕方がないのだが、誤嚥性の肺炎を起こし(今までに何度も起こしたが)、熱を出したらこれも放置できない。鎮痛解熱剤で熱を冷まし、抗生剤を投薬することになる。
☆ 死ねない時代になってきた。延命に果たしてどれほどの意味があるのかはわからないが、最近は「生きている」というそのこと自体に何か意味があるのではと考えるようにしている。
☆ せん妄で夜中に何度も起こされ、訳の分からない要求をぶつけられ、愚痴を言ったかと思うとしおらしくなる。介護というのは想像以上に肉体的、精神的負担が大きい。これも「修行」と思って踏ん張らないと介護者が壊れてしまう。それに経済負担だ。気張らず、弱音を吐いて、誰かに助けてもらうのも必要なことのようだ。
☆ この作品は、介護のリアルをよく描いていた。
☆ 認知症の始まった祖父と同居する30歳前の男性が主人公。今は、その祖父と母と自分の3人暮らし。祖父は子どもたちの間でたらい回しされ、主人公の家に行きついたようだ。主人公は激務(ブラック)のカーディーラの仕事を辞め、今は就職浪人。専門職をめざして勉強をしているが思うようにいかない。それに祖父の介護だ。
☆ 思うようにいかないと「死にたい」と口にする祖父。いっそのことと思い、主人公は安楽死を計画する。
☆ 介護に疲れた主人公のイライラ感と冷淡な計画とは裏腹に、その外形的な行動だけを捉えれば、実に献身的だ。家族ゆえの暴言があり、家族ゆえの葛藤があり、家族ゆえの後悔がある。
☆ もはや機械的になった、祖父の「ありがとう、お願いします、すいません」のセリフが切ない。
☆ 私は父の介護を18年している。寝たきりになってからは8年だ。胃ろうを増設し、酸素チューブを装着し、痰は機械で吸引する。
☆ 胃ろうがない時代、食べられなくなったら人間は寿命だったのだろう。1週間から10日ほどで衰弱死すると言われた。それも天寿とあきらめるのも選択肢だったが、意識がはっきりしているのに、嚥下障害だけで自然死という名の安楽死を選択することはできなかった。
☆ 酸素にしても、呼吸不全になれば意識が衰え、やがては死を迎えるのだろう。しかし、苦しそうに呼吸する姿を見るに忍びない。わずか1リットルの酸素を補給するだけで、今では酸素飽和度が97%に保たれている。健常者と変わらない。
☆ 痰の吸引を怠れば、窒息するかも知れない。それはそれで仕方がないのだが、誤嚥性の肺炎を起こし(今までに何度も起こしたが)、熱を出したらこれも放置できない。鎮痛解熱剤で熱を冷まし、抗生剤を投薬することになる。
☆ 死ねない時代になってきた。延命に果たしてどれほどの意味があるのかはわからないが、最近は「生きている」というそのこと自体に何か意味があるのではと考えるようにしている。
☆ せん妄で夜中に何度も起こされ、訳の分からない要求をぶつけられ、愚痴を言ったかと思うとしおらしくなる。介護というのは想像以上に肉体的、精神的負担が大きい。これも「修行」と思って踏ん張らないと介護者が壊れてしまう。それに経済負担だ。気張らず、弱音を吐いて、誰かに助けてもらうのも必要なことのようだ。
☆ この作品は、介護のリアルをよく描いていた。








