じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

道尾秀介「鈴虫」

2019-09-20 21:31:14 | Weblog
☆ 道尾秀介さんの「鬼の跫音」(角川文庫)から「鈴虫」を読んだ。

☆ 私たちは刑事のように、「事実がどうなのか」「犯人は誰なのか」「動機は何で、凶器は何で」と考えてしまう。それで事件が解決すると何かホッとする。

☆ ところがこの作品は読後感が悪い。事実がどうなのか結局わからないし、それはむしろどうでもよいことなのかも知れない。文字通りに読んでも良いし、もっと深読みしてもよい。鈴虫に何らかの意味を求めてもいいし、単なる小道具として読み進めてもよい。すべては読者に委ねられている気がした。

☆ 展望広場の崖の下、堆積した腐葉土の中から死体が見つかった。その件である男が取り調べられる。男は11年前の殺人と死体遺棄を告白するのだが・・・。

☆ 事実などと言うものは、所詮は個人の認識に過ぎないのかも知れない。
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