じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

井上荒野「キャベツ炒め」

2022-01-26 21:57:46 | Weblog
★ 以前、センター試験に出題されたというので井上荒野さんの「キュウリいろいろ」というのを読んだ。抜粋なので、描かれている場面の背景がイマイチよくわからなかった。そこで、その作品が収められている「キャベツ炒めに捧ぐ」(角川春樹事務所)を読むことにした。

★ 60代の女性3人が営む総菜屋さん。オーナーの江子(こうこ)さん、開業時からの従業員・麻津子(まつこ)さん、後から加わった郁子さん。60年の年月を経て、それぞれが何らかの荷を背負いつつ、楽しく美味しい惣菜づくりに励んでいる。店の名は江子さんのニックネームから「ここ家」。各駅停車しか止まらない小さな町のささやかな商店街にあるが、なかなか繁盛している様子。

★ 今日のメニューは人気の茸のまぜご飯に、茄子の揚げ煮、茸入り肉じゃが、秋鮭の南蛮漬け、蒸し鶏と小松菜の梅ソース、豚モモとじゃがいもの唐揚げパセリソース、白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ、さつまいもとソーセージのカレーサラダ、それに、ひじき煮とコロッケと浅漬けなど。

★ 想像しただけでおいしそうだ。

★ 連作短編のスタイルで、「キャベツ炒め」は後半にある。50代のとき夫と別れた江子さん(離婚のいきさつは、いろいろあったようだ)。今ははるか年下の米屋の進君と恋仲か。別れたとはいえ、元夫のことが心残り。今でも時々は電話したり会ったりはできるのだが。大人の心の微妙なリズムが切なくも気持ちよい。

★ 新婚初夜、元夫が江子さんに作ってくれたキャベツ炒め。バターでニンニクを炒め香りをたて、それにちぎったキャベツを入れ強火で炒める。味付けは塩と黒胡椒だけ。思わず香りを感じる。おいしそうだ。たかがキャベツ炒め、されどキャベツ炒めって感じだ。

★ ソース派の麻津子さんも、醤油派の郁子さんも、江子さんの塩味に納得。まったく関係ないが「男女七人夏物語」で、明石家さんまさんと大竹しのぶさんが、カレーに醤油をかけるか、ソースをかけれるかでもめていた場面を思い出した。

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