じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

連城三紀彦「桐の柩」

2019-11-07 23:52:11 | Weblog
☆ 連城三紀彦さんの「戻り川心中」(光文社文庫)から「桐の柩」を読んだ。

☆ 東映の仁侠映画のような世界。時代は日中戦争が始まった頃というから、昭和12年前後。会社をクビなり空腹を抱えていた男が貫田という男に助けられる。堅気の人間ではないがそんなことは言っていられない。男は貫田の子分となり彼の使い走りのような存在となる。

☆ 仁侠の世界は、親子兄弟のビシッとした縦社会だ。その中でのし上がるには下剋上しかない。それも要領よく。

☆ それに女性。好きになってはいけない人を愛してしまった。この時、男が選んだ道は。

☆ 連城さんの文章は読みだすと止まらない。
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窪美澄「ミクマリ」

2019-11-07 10:45:14 | Weblog
☆ 朝から「18禁」小説。窪美澄さんの「ふがいない僕は空を見た」(新潮文庫)から「ミクマリ」を読んだ。

☆ かなり露骨な性描写もあるが、「性」と「生」、さらには生まれ来る「業」のようなものを感じる作品だった。

☆ 男子高校生、コミケで12歳も年上のお姉さん(結婚もしている)にナンパされ、コスプレで情交という風変わりなプレイを楽しむようになった。いわば不倫だけれど、この際そんな通俗的な倫理観は横に置いて。

☆ こんな二人にもやがて別れが訪れる。彼にとっては「イニシエーション」だったのだろうが、彼女にとっては何だったのだろうか。

☆ 彼の母親は助産院を営んでいる。父親は夫婦喧嘩の末、家を出ていったという。母と訪れた「水分神社」。「みまくり」と読む。

☆ 父親とは山登りをした。家族3人の思い出は少ないようだ。

☆ 濡れ場の艶っぽい描写が続くと、山奥の岩の間からわき出る水にさえ、刺激を感じてしまう。
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