じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

NHK「ヒトラー・クロニクル」

2019-01-02 16:54:27 | Weblog
☆ NHK-BS 世界のドキュメンタリーから「ヒトラー・クロニクル」を観た。

☆ ヒトラーの生い立ち、主に政権を掌握するまでの彼の姿を事実といくつもの証言をもとに描いていた。

☆ なぜオーストリア生まれで、十分な教育も受けず、目指した絵画の道では挫折し、ささやかな実績としては第一次世界大戦での兵長としての活躍だけ。どうしてこの男が権力を掌握し、あるいは世界征服まで目指しすことができたのか。第一次世界大戦後のドイツが置かれていた過酷な状況や英仏露といった大国の横暴、それに世界恐慌があったとはいえ、なぜその打開を託されたのが「彼」だったのか、実に興味深い点だ。そこには人智を超えた「何か」さえ感じてしまう。

☆ 番組の中では彼を盛り上げた若者たちの動きを「カルト的崇拝」と評していた。演説や演出の才能、優れた側近に恵まれたとはいえ、「心酔」というまで熱狂させたものは宗教的な陶酔感に似ているのではないか。その残酷な所業を見れば、軽い言葉では済まされないが、群集は、とりわけ青年たちは、時代に酔ってしまったのだ。

☆ イデオロギーや宗教と言ったものが政治と結びつくとき、気をつけなければいけないと改めて思った。

☆ オウム事件や小泉ブームなど規模ははるかに小さいが、日本でも「熱狂」は起こりうる。「カルト的崇拝」の種は芽吹く日を待って潜伏しているような気がする。
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NHK「見えざる病原体」

2019-01-02 13:26:41 | Weblog
☆ NHK-BS 世界のドキュメンタリーから「見えざる病原体」を観た。

☆ 西アフリカでアウトブレイクしたエボラ出血熱から話が始まり、妊娠中の母親が感染すると小頭症の子どもを出産するジカ熱、毎年流行するインフルエンザに話が及ぶ。アジアのある町でのトリ市場の様子は、鳥インフルエンザがいつアウトブレイクしてもおかしくない現実を映す。

☆ アウトブレイク、更には規模が世界的に拡大したパンデミック、生物学的な感染拡大だけではなくその感染が社会に与える影響まで言及していた点に興味をもった。昨今流行りのフェイクニュースや風評の拡大など、ウィルスのアウトブレイクと同じような傾向があるという。

☆ 地球上で生きる限り人類は病原体と共存していかざるを得ない。流行には環境問題(地球の温暖化、森林伐採)や社会的要因(人やモノのグローバルな移動)が挙げられ、また対応策として中国の研究者が「早期発見、的確な診断、即座の行動」と話していた。公衆衛生の重要性が力説されていた。

☆ 「重症で病院に来ても数日で回復する人もいれば、軽症なのに亡くなる人もいる」というコメントには命の不思議さを感じた。奥深いものがありそうだ。
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NHK「欲望の哲学史 序章」

2019-01-02 10:04:58 | Weblog
☆ NHK「欲望の哲学史 序章~マルクス・ガブリエル、日本で語る~」を観た。

☆ 第二次世界大戦後の哲学の潮流が簡潔に説明されていて勉強になった。

☆ 実存主義 → 構造主義 → ポスト構造主義 → (新自由主義、ポストモダン、相対主義) → 新実在論

☆ 具体的な人物として、サルトル、レヴィ・ストロース、デリダ、ラカンが挙げられている。

☆ 「意味あるものはすべて存在する。だが『世界』は存在しない。『全体』を求めず。『細部』にひきこもらず思考し続ける」

☆ エンディングで映し出されるメッセージだ。「歴史」など存在しないというマルクス・ガブリエルを象徴するセンテンスなのだろう。具体的にどういうことなのかは、より深く学ぶ必要がありそうだ。

☆ 彼は言う。「『全体』を見わたす神の視点など期待できない。『全体』性という考えるやめる必要がある」

☆ そう言われれば、今までの哲学は「神の視点」を求めてきたのかも知れない。ヘーゲルなど「体系」を考えないと自分の存在が不安で居ても立ってもいられないようだ。

☆ 「新実在論」は現実的な思考方法なのかも知れない。

☆ 時代遅れと言われればそれまでだが、マルクスの「下部構造ー上部構造論」で考えれば、生産関係の変化が哲学の変化をもたらしているのかも知れない。

☆ あるいは生産関係の変化の前に哲学的先駆があるのか。そうでなければ前衛論は成立しないのか。「哲学者たちは世界をさまざまに解釈したにすぎない。大切なことはしかしそれを変えることである」(「フォイエルバッハに関するテーゼ」、エンゲルス「フォイエルバッハ論」松村一人訳 岩波文庫所収)と言うしね。

☆ とにかく良い刺激になった。
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